大日本印刷(東京都)はタイ国内の飲食店向けに、タブレット端末を採用した新しいオーダー・サービス「飲食店向け多言語対応セルフオーダーシステム」の本格的な提供を開始した。全土に2000店を超える日系レストランを始め、拡大を続けるタイの飲食市場の取り込みを図る。需要が見込めれば、タイの周辺国などにも順次進出したいとしている。
オーストラリアのシステム会社e-square solutions Pty. Ltd.(ESS)と業務提携、同社が開発したシステムを採用した。東南アジアでは、すでにシンガポールなどでサービスを開始。これまでに50店舗以上の飲食店で導入され、人件費が3割削減、売上が6割以上増加したという報告もあるという。東南アジア市場一円で2018年までに10億円の売り上げを目指す。
来店客の利便性と店内業務の効率化を図ることが最大の目的。来店客は店員を呼び出すことなく、客席に置かれた専用のタブレットで注文ができる。オーダーの内容はホールと厨房に設置された専用端末に自動的に送信されるとともに、レジ・プリンターとも連動。注文の確認や客対応などホールスタッフの作業が大幅に削減できる。また、注文や配膳ミス、会計トラブルなどの面倒からも解放されるという。
一方で、来店客にとっては珍しさもあって満足度の向上を図ることができる。結果、スタッフ自身による対応以上に注文する機会や注文量がともに増えることが想定されるという。端末はタイ語のほか日本語や英語、中国語など最大6ヵ国まで対応可能。
タイではBTSプロンポン駅直結の大型商業モール「エムクオーティエ」の寿司店ですでに試験導入済。導入にかかる初期費用は1店舗あたり81万5,000バーツ(約300万円)から(サーバー、ホール・厨房用端末、レジ・プリンター、タブレット端末10台など)。月額の利用料は2万7,000バーツ(約10万円)から。