BTSグループとの一体型カードで合意。将来は提携クレジットカードの発行も
イオンフィナンシャルサービス
流通最大手イオングループの金融会社イオンフィナンシャルサービス(東京都)は、バンコクで高架鉄道BTSスカイトレインを運行するBTSグループホールディングスと提携し、双方の顧客が相互利用可能な一体型カード「AEON Rabbit Member Card」を新たに発行することを決め、このほど利用者の募集を開始した。
初年度だけで15万枚、今後5年間で70万枚以上の発行を目指す。 傘下のタイ現地法人イオンタナシンサップ(タイランド)が発行する分割払い及びローン機能を有するファイナンスカードに、BTSグループで発券業務などを担当するバンコク・スマートカード・システムが提供する電子マネー機能「ラビット機能」を搭載する。これにより、イオンが提携する1万5000店以上のタイ国内での店舗での分割払いの利用や、BTSの乗車券としてもそのまま使用ができる。
BTSスカイトレインはタイ初の都市鉄道として1999年12月に開業。当初は安価な路線バスに対し、「見慣れない高額な乗り物」として利用が少なかったが、経過とともに乗客が増加し、現在は2路線36.3kmで1日あたり60万人以上の利用客を数える。一方、1992年に設立したイオンタナシンサップは、2014年11月現在の総カード会員数が約719万人。15年の新規発行枚数の目標を70万枚に設定する同社にとって、BTSの乗客数は更なる会員の獲得に有望に映った。
当面は分割・ローン機能の提供にとどめるが、次の段階として提携に基づくクレジットカードの発行も視野に入れる。BTSの鉄道各駅や近隣商業施設などで提携カードの募集を行っていくほか、各種キャンペーンなども実施していく考え。イオンがタイの交通機関と提携するのは、タイ国際航空に次いで2例目。