とまらない日本食ブーム
ご当地グルメや人気ラーメン店など、日系外食チェーンが続々とタイへ。
今の飲食業界を語るうえで外せない“ジャパニーズフード”の魅力とは?
レストランから屋台まで、いたるとこで楽しめる“日本の味”。タイでは人気グルメのひとつとして、確固たる地位を築いている。
タイのビジネス誌「M a r k eteer」は、日本料理がタイ人に好かれる理由として「日本人は平均寿命が長いため、ヘルシーな印象がある」「漫画やドラマなどで日本文化に触れており、日本のライフスタイルに興味がある」「安くなってきている」「センスがよくみられる」など、興味深い点を挙げている。
また、タイの某人気レストラン投稿サイトでは、日本料理のレストランや和風スイーツ店がトップ3を独占。“ジャパン”は、食のトレンドをキャッチするうえで重要なキーワードとなっているのは間違いないようだ。
日本貿易振興機構(JETRO)が新興国の6都市(バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、モスクワ、サンパウロ、ドバイ)を対象に行った「日本食品に対する海外消費者アンケート調査(2014年発表)」では、「好きな外国料理」について「日本料理」が38・4%と最も多かった。
地域で見ると、バンコクとジャカルタで日本料理の人気が突出しており、「味の良さ(40・5%)」、「健康に配慮(28・5%)」、「洗練されている・高級感(10・5%)」が、日本料理を好む主な理由となっている。また、好きなメニューは、「寿司・刺身」がトップ。タイは、次いで「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」と、他国にはない回答だった。
日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)によると、タイにある日本食レストランは約1800店。これは東南アジア1位であり、3〜4年後には3000店まで増えると予測される。
2013年発表のOISHIグループのデータでは、タイの外食産業市場は約220億バーツ。近年は、日本からも大手外食チェーンが進出している。「つぼ八」「天丼てんや」、大阪串かつ「だるま」、博多ラーメン「一風堂」、名古屋みそかつ「矢場とん」など、ジャンルもさまざま。さらに名古屋の手羽先「世界の山ちゃん」も進出するという。
“純和食”だけにはとどまらない、ジャパニーズフード。今後、日本食産業の激化は必至だが、タイに住む一消費者としては喜ばしい限りだ。
(11月10日=週刊WISE)
【タイ】とまらない日本食ブーム
2014年11月10日