「現状のままでは再選挙も反政府デモも解決しない」と、立ち上がったアピシット民主党党首。反政府デモ隊と赤シャツ隊の動きも含め、政治状況は悪化しているとし、2006年のクーデターのような事態は避けなければならず、また、政治対立問題に国王や裁判所などを巻き込むべきではないと改革の必要性を説いた。
5月1日には、現在のこう着状態を打開するため、次の4つの項目からなる改革案を打ち出した。
①国を前進させるために、政治に関する各機関が協力したうえ、憲法とその他の法律に基づき、正当な改革を行う。
②改革は選挙前、直ちに開始する。ただし、あらゆる声を聞きながら柔軟に進める。
③再選挙は、然るべき時期に安全な場所で公正に執り行う。
④政治的な利益は一切なく、すべて法律に従って改革を進める。
また、これらの提案が受け入れられた場合、アピシット党首は再選挙に出馬しないとも発言。自身の利益や政治的な繫がりはなく、一人の国民として国の改革を支えるだけだとした。再選挙については、すでに7月20日に行われることで政府と選挙管理委員会が合意している。
インラック首相は、アピシット党首の提案を条件を設けずに聞くとし、ほとんどの国民も提案内容に賛成するのではないかと話した。選挙管理委員会のソムチャイ委員は、政府がこの提案を受け入れるなら喜んでそれに従うとし、あくまで提案受け入れの判断は政府と国民が下すものであり、選管は口を挟まないという態度を示した。
5月3日に各機関へ正式な提案項目が提出され、その後審議に入る。和解案が受け入れられない場合、民主党は7月の再選挙をボイコットする可能性もある。
(週刊WISE 5月5日)
ニュース提供元:週刊WISE
【タイ】アピシット民主党党首の改革案 こう着状態を打開するための和解案は、果たして受け入れられるのか
2014年05月05日