インドシナ半島の東に位置し、国土は南北に長く、中国・ラオス・カンボジアと国境を接する、ベトナム。
チャイナ+1、近年目覚ましい経済成長を遂げており、次なる成長市場として期待される「VIP」の国の一つです。
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インドシナ半島の東に位置し、国土は南北に長く、中国・ラオス・カンボジアと国境を接する、ベトナム。
チャイナ+1、近年目覚ましい経済成長を遂げており、次なる成長市場として期待される「VIP」の国の一つです。
商業の中心地であり「東洋のパリ」と呼ばれたホーチミン、政治・文化の中心地ハノイ、都市部にはフランス統治時代の面影が残っています。
古来より日本と同じように中国文化の影響を受けつつ、独自の文化を形成してきたベトナム。
豊かな農業国であり、どこか懐かしい田園風景が広がる郊外とは対照的に、都市部は建設ラッシュに沸き、工業団地が立ち並び、バイクがひしめき合う熱気に溢れた国へと変容しています。
経済面では、2000年代より海外直接投資も順調に増加し、以降5%以上の高い経済成長率を続けています。
さらに世界15位の人口、平均年齢31歳というエネルギッシュな国民の力が、ベトナムの進化を後押ししています。
日本の進出企業は1800社を超え、製造業だけでなく、IT関連産業も急成長するベトナム。
穏やかで勤勉な国民性、潜在能力と活気に溢れるベトナム。
その魅力を多方面から探ってみましょう!
【目次】
チャイナ+1、アジアの中で成長が期待される国であるVIPの国の一つであるベトナム。
1980年代の「ドイモイ政策」により以降、急速な経済成長を遂げており、ODAを奨励、外資参入規制緩和等、外資誘致にも積極的な姿勢をとってきました。
2000年312億USDだった名目GDPは、2009年には1000億USDを超え、2018年には2414億USDと7倍以上にも急成長しました。2019年のGDP成長率は7.0%とかなりの高成長を維持しています。(2020.1ジェトロ)
産業構造としては、国民の半数は1次産業従事者ですが、中間所得者層は2000年の約10.4%から2017年には約38%まで上昇したことが経済成長と所得向上に繋がっていると思われます。小売や外食産業などの進出も増えてきており、景気の見通しは明るく、市場としての期待・伸びしろが大きく魅力的なマーケットといえます。
政府の新10カ年国家戦略では、2010年に1200USDだった1人当たりのGDPを、2020年までに3000~3200USDまで引き上げることを標榜しています。
政府はその目標に向けて、課題であるインフラ整備や市場経済制度の整備を促進し、工業国化に取り組んでいます。
引用:ジェトロ https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/vn/data/vn_overview201904.pdf
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/01/85734062c3577ea8.html
海外進出先を選ぶ際、これから経済がどれだけ成長できるかも気になるところでしょう。
国の長期的な経済成長を推測するには、供給がどの程度増えるかが重要ですが、
その供給量の構成要素は以下の3つと言われています。
1、人口の増加(労働投入量)
2、資本ストック(社会や企業が抱えている設備の量)
3、生産性(out putの量)
中でも「人口」は極めて重要なファクターなのです。
ベトナムの人口は、約9600万人であり、その平均年齢は低く、経済発展の好機である人口ボーナス期を迎えています。
日本の平均年齢が46歳であるのに比べ、ベトナムの平均は31歳であり、加えて人口の50%以上が25歳以下であり、高齢社会へと向かう日本とは対照的に、若い力の溢れる国です。
また、ベトナムの人々は他国に比べ賃金が安く、教育水準が比較的高く勤勉で、手先が器用なことも、日本企業が注目する理由です。
賃金の安さから労働集約型の縫製衣料・靴、電機部品加工などで活躍していますが、決してそれだけではなく、ITエンジニアの育成を国策として掲げており、エンジニア層が厚く、優秀な人材が多く、そのためソフトウェアやオフショア開発の拠点としても注目されています。
2016年以降はベトナムの小学校の第1外国語に日本語が取り入れられるようになりました。ローカル採用の求人にも興味を持つ方が多いでしょう。
ただし、ASEAN地域に共通している離職率の高さが課題でもあります。離職率を下げるためにもローカルの方とのコミュニケーションの工夫が必要となるでしょう。
地政学的な観点からベトナムを見てみましょう。
ベトナムは、中国とタイの中間に位置します。様々なリスク要因もあり、チャイナ+1や、中国から拠点を周辺国に移転する傾向もありますが、中国は人口で世界1位、GDPでは世界2位の大国、2020年には市場としても世界1位になると予想されています。
中国は、大国であることは間違いありません。ベトナムと中国は、地理的な近接性により、中国の生産拠点とで資材や部品調達が容易なことから、中国に既に進出している企業についても、投資戦略としてベトナム進出は検討に値することでしょう。
ベトナムを含むメコン地域は、近年、ODAの最大の支援国である日本やアジア開発銀行により、国境横断型インフラ整備が進んでいます。ベトナムは南北に長く、海に面している沿岸部が多いことが特徴の一つで、ベトナム港湾のコンテナ取扱貨物量も年々増加し、北部のラックエン港やダナン港など、今も港湾建設が進んでいます。
ベトナムは、全長14万kmにおよぶ高速道路である、アジアンハイウェイ構想の交通の要所であり、インドシナ経済圏(ベトナム、タイ、ラオス、カンボジア、ミャンマー)の海の玄関口でもあります。
また中国を結ぶ4大回廊の3つがベトナムを通っており、これらのインフラ整備が進むことで、ヒトやモノの移動が活性化し、貿易の円滑化、観光産業への波及効果も期待されます。
とはいえ、ベトナム国内でさえも交通インフラの整備が遅れていることが成長スピードを減速させる問題点ともなっています。今後のインフラの整備、充実が進むことにより、ベトナムは物流拠点としても重要な役割を担うこととになるでしょう。
2018年5月外務省発表の「海外進出日系企業実態調査(平成30年要約版)」によると2017年10月1日時点でベトナムに進出している日系企業の総数は、海外進出している日本企業の総数の約2.4%、1,816拠点で、9年連続で増加しています。
内訳は現地法人化された日系企業が1,474拠点、現地法人化されていない日系企業(「本邦企業の支店」または「本邦企業の駐在員事務所、出張所など」)が323拠点となっています。
ベトナムには、光学OA機器、携帯電話などの部品、電子部品、食品、機械設備、化学、自動車、トイレタリー、製薬、化粧品、不動産(ゼネコン)、重工業、エネルギーなど、多種多様な業種が進出しています。
中でも日本の進出企業の約50%は製造業で、ソフトウェアなどのサービス業も目立ちます。サムスンが2009年に輸出拠点としてベトナムに進出し携帯電話・部品産業といった製造業がさらに成長しました。
ベトナムの活気溢れる都心部の道を埋め尽くすバイクも日本製がほとんどです。
ベトナムにおいて、バイクのシェアの約8割は日本メーカーであり、かつてはオートバイのことを、日本メーカーの社名で呼ばれていたこともあるほどです。
他にも、日本のある食品メーカーは、即席麺の市場で約60%ものシェアも持っています。
ベトナムは2007年にWTOに加盟、2009年の小売業の規制緩和により、100%外資参入も可能になりました。最近では、小売業(百貨店・GMS・コンビニ)や外食産業への進出が増えています。さらに、2018年からASEAN域内の関税がほとんどかからなくなったことを背景に、ASEAN内の生産拠点としてさらに注目を浴びています。
ジェトロが2019年度に実施した「アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」の調査では、「現地スタートアップの連携」については、連携済・連携予定と回答した企業は、ベトナムが最も多く、56社であることからも、今後のスタートアップ連携、そのためのイベントの需要は高まっていると言えます。
※引用 外務省「海外進出日系企業実態調査(平成30年要約版)」https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006071.html
※引用 ジェトロ「2019年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」https://www.jetro.go.jp/world/reports/2019/01/962bd5486c455256.html
ベトナム国民は一般的に、勤勉で人間関係を重視した穏やかな人々であると言われています。
真面目で几帳面、顔つきも似ており、四季のある地域もあり、稲作の風景にはどこか懐かしさを感じます。
また、国民の約8割が仏教徒であり、宗教的な争いやテロなどとは無縁の国です。
加えて、日本製品が浸透しており、日本のアニメも根付いていることもあり、下記の調査では、反日感情も極めて低いベトナム。
ベトナムと日本は友好関係にある⇒約90%
日本経済への関心⇒約90%
ベトナムへの投資や工場設立について「歓迎する」⇒約80%
2008年には日本とベトナムは、ベトナムにとって初めての二国間FTA(自由貿易協定)を結んでいる親密の深さです。
日本に対して、ネガティブな歴史観にこだわる人は少なく、敗戦後アジアにおいて急激な経済成長を遂げた日本について教科書でも触れており、日本製品への信頼感とともに、日本人に対しても好意的な感情を持つ人が多い国ですので、日系企業の進出を心理的に受け入れやすいものとなっています。
社会主義共和国であり、ベトナム共産党による事実上の一党支配であることは良く知られているところでしょう。それゆえ、国家の持つ力、影響力が大きく政治が安定しています。
また、ベトナムは社会主義国ではあるものの、マルクス・レーニン主義思想、ホーチミン思想(独立・自由・幸福)がベースにある点が、他の社会主義国とは異なります。
2013年には、指導者(閣僚級以上)に対して、国会議員による信任投票を実施、憲法改正などについても、一党体制にありながら、民主的な要素を取り入れています。
経済成長には、政治の安定も重要なファクターの一つです。
ただ、政府の決定が現場に到達するまでに時間がかかることがデメリットとしてあげられますので、対策を立てていくことが必要です。
ベトナムの法人税の標準税率は20%ですが、政府は地域間格差をなくすことに注力しており、加えて政府としての注力分野についても、下記のような優遇税制が取られています。
特にITエンジニアの育成を国策として掲げており、政府としてハイテク産業誘致へと軸足を移しています。
このような分野で進出を考える企業にとっては、ベトナムの優遇制度は大きな魅力となるでしょう。
ベトナム進出に関する疑問・質問トップ10
これまで1000人以上の「海外進出支援の専門家」や「海外で活躍する経営者」と会ってきた
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