タイで就労ビザの申請・取得をお考えの方へ
タイで就労ビザの取得・申請をお考えの方に、知っておくべきポイントとサポートしてくれる専門家をご紹介する特集ページです。
▼タイで就労ビザを申請・取得するために知っておきたいポイント
▼タイでの就労ビザについて相談先を見つける
タイで申請できる就労ビザの種類
日本から約6時間弱のタイは気軽に行ける海外旅行先として人気です。ロングステイ先としても人気が高く、マレーシア、オーストラリアに次ぐ3位に2005年から連続して選ばれています。観光目的の旅行で30日以内の滞在の場合はビザは不要ですが、外国籍の人が長期滞在するにはノンイミグラントビザを取得しなければなりません。
ノンイミグラントビザにはいくつか種類がありますが、現地企業に就職して働く、または駐在員として赴任するなど、就労を目的とした入国の場合、「ノンイミグラントビザ・カテゴリーB」(BはBusinessの頭文字)という就労ビザを取得することになります。就労ビザ(Bビザ)のタイ滞在可能日数は90日以内で、入国回数が1回のシングルタイプと複数回可能なマルチプルタイプがあります。ただしマルチプル申請の場合、申請料が高くなるだけでなく、取得条件が厳しくなりますので、就労目的の際には基本的にシングルエントリーを申請します。また、就労ビザにより就労条件や制限就労時間、給与等も当然変わってきますので、企業側がどういった目的、形態で人材を雇用するのかを明確にし、雇用の際にしっかり企業側と就労者側での意思確認が非常に大切となります。さらに、タイには国内雇用を保護するために、外国人が従事できない仕事が39職種あります。違反すると厳しい罰則が科せられますので、ご注意ください。
就労目的の場合は、就労ビザを取得して入国後、90日以内に必ず、タイ労働省労働監督局、またはバンコクのワンスタート・ワンストップ投資センターにて労働許可書(ワークパーミット)を取得する必要があります。その後、入国管理局(イミグレーション)にて滞在延長が申請できます。
入国後の業務や活動形態により、商用、3年マルチ、教師、興業、報道関係者など、申請届け上いくつかの種類がありますが、商談や会議等の目的の場合でも、16日以上滞在して仕事をする際には原則労働許可証を取得することになります。ですが、出張など15日以内の滞在の場合は労働許可証の取得は不要である代わりに、緊急業務届の届け出を行います。
また、2018年2月1日からはタイで最も新しい就労ビザ「スマートビザ」が導入されました。政府が定めた重要産業において就労、投資、起業する外国人(高レベル技術専門家、投資家、高レベル経営者、スタートアップ経営者)が条件を満たした際にBOI(投資委員会)を通して申請できるビザであり、取得すれば労働許可証なく就労することができますので、該当するかどうか確認してみるとよいでしょう。
タイで就労ビザを申請・取得するためのステップ
就労ビザの取得方法は、新たな現地企業設立に伴う場合や、駐在員の交代、支援・応援補充、あるいは転職して現地採用など、各社の状況によって様々かと思いますが、多くのケースでは次の3パターンに当てはまるでしょう。
日本からタイに海外進出して新規会社設立するなど多くの場合は(A)になるかと思いますので、タイに行く前に駐日タイ大使館または領事館にて就労ビザ(Bビザ)を取得しましょう。大使館で申請する場合は、原則として旅行代理店による代理申請はできないため、大使館に申請者本人が出向いて手続きを行います。
(A)パターンの日本のタイ大使館での就労ビザ(Bビザ)申請から労働許可証取得までと、以後タイ国内での延長手続きの流れをご説明します。
【初年度】
1.日本のタイ大使館にて就労ビザ(Bビザ)申請
2.申請日の翌日以降に受領。90日の滞在が認められます。
3.入国
4.労働局にて労働許可証の取得
5.入国管理局にて延長申請手続き(審査期間は約2週間)
6.取得完了
-取得日にさかのぼって合計1年間有効。
-就労ビザの場合、シングル・ビザ限定となります。
【次年度以降 更新手順】
1.就労ビザ(Bビザ)延長手続き
1カ月有効で延長
2.労働許可証の延長手続き
1カ月有効で延長
3.入国管理局・労働局の審査(1か月間)
4.更新完了
-取得日にさかのぼって合計1年間有効。
-就労ビザの場合、シングル・ビザ限定となります。
-失効する前に双方の更新手続きを完了させる必要があります。
※申請手続きに際しての注意事項
・各ケースともパスポートの残存期間が6カ月以上残っていること。
・(C)では、滞在可能な期日まで15日間以上残っていること。
・申請者の受け皿として、タイ現地法人の新会社設立が完了済、
もしくは既存のタイ法人会社が既に決まっていること。
・タイ国内入国後の手続きに関しては、多少の費用がかかっても、
手順に精通した経験確かな代行業者等へ依頼することが確実で賢明です。
タイで就労ビザを申請・取得するために必要な書類・準備
【就労ビザ(Bビザ)※日本のタイ大使館で新規に申請】
・パスポート(残存期間が6ヶ月以上、査証欄の余白が最低1ページ必要)
・就労ビザ(Bビザ)申請書1枚 (大使館で入手、同ウェブサイトよりダウンロード可)
・カラー顔写真3.5cm×4cm(2枚)
・渡航時の航空券(旅券)もしくはそれを確認できる書類(予約確認書類等)
・英文の経歴書、原本1部 (書式は大使館で入手、同ウェブサイトよりダウンロード可)
・英文の招聘(しょうへい)状、原本1部 (タイ現地法人会社による発行)
※会社のレターヘッド用紙を使用
※申請者氏名、滞在目的、入国予定日、滞在期間、申請ビザの種類を明記
※サイン権者直筆の署名。代理署名の場合、サイン権者による委任状原本を添付
・タイ現地法人会社の登記簿の写し(6カ月以内発行の資本金と株主名簿記載のページ)
・英文の推薦状、原本1部 (日本の会社による発行)
※会社のレターヘッド用紙を使用
※申請者氏名、滞在目的、入国予定日、滞在期間、申請ビザの種類を明記
※代表者直筆の署名
・日本の会社推薦状が用意できない場合
※英文身元保証書(書式は大使館で入手、同ウェブサイトよりダウンロード可)
※保証人のパスポートの写し、直筆署名入り
・申請料 9,000円 (シングルタイプの場合)
【労働許可証(タイ国内で新規に申請)】
・パスポート(ビザスタンプ受領済みであること)
・カラー顔写真3cm×4cm (3枚)
・英文の卒業証明書
・英文の職歴証明書
・タイで発行の健康診断書 (タイ総合病院等で用途を伝え受診。600~1000バーツ前後)
・タイ現地法人会社の書類
-登記簿の写し(6カ月以内発行。営業目的、資本金、株主名簿記載のページ)
-工場設置許可証の写し (製造業の場合)
-事業ライセンス (あれば)
-VAT申告書の写し及び領収証 ※新会社は不要
-法人税申告書の写し及び領収書 ※新会社は不要
-個人所得税の写し及び領収証 ※新会社は不要
-社会保険申告書の写し及び領収証
-会計監査(決算書)最も新しいもの ※新会社は不要
-会社の業務内容 (会社案内等でも可)
-会社所在地の地図
-会社の組織図、従業員数
-申請者の役職、職種内容に関する説明
-申請者の給与 ※最低月給5万バーツ以上のこと
-申請者のタイ国内の住所及び日本の連絡先
-同社内で外国籍労働者が居る場合、その労働許可証の写し
その他、個々のケースにより必要なものが異なる場合があります。申請の際にはタイ大使館や専門コンサルタント業者等へ都度お問い合わせ頂くのが確実です。
参考:「就労ビザの種類とその取得方法:タイ(ジェトロ、2017)
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010936.html
就労ビザ取得時のその他注意点
■90日報告
無事就労ビザ(Bビザ)を所得し、タイ滞在が認められた後にまず注意しなければならないのが、「90日報告」の義務です。申請から一年後のBビザの有効期限とは別で、認められている連続滞在期間は90日となります。
90日を超えて連続滞在する場合、所轄の入国管理局へその時点でのタイの住所を報告しなければなりません。定型書類に記入の上、本人の直筆署名、パスポートを添えて届けでます。本人でなく代理出頭可。この時受け取る半券書類には次回までの報告期日が記載されております。うっかり失念して自己申告した場合2,000バーツの罰金、当局から指摘された場合4,000バーツのもありますのでご注意を。
■リエントリー・パーミット (再入国許可証)
タイから一時出国する場合は、必ず「リエントリー」を申請しておかなければなりません。これを怠って出国してしまうと、取得したビザはたとえ有効期限内であっても失効します。
申請は入国管理局もしくはスワナプーム空港の発行カウンターで行えます。ビザ同様、パスポートのページにスタンプを押してもらいます。事前に予定がわかり時間に余裕があれば、予め取得しておくのが安心ではないでしょうか。申請料はシングル1,000バーツ、マルチプル3,800バーツ。ビザ有効期限内に4回以上出国する場合はマルチプルの方が料金節約になります。リエントリーパーミットの期限は、ビザ期限と同じになります。
なお、タイへ再戻ってくる際、入国審査ではリエントリー扱いで処理してもらわなければなりません。英語やタイ語があまり得意ではなくても、「リエントリー」とだけ一言申し出るようにしましょう。押された入国スタンプには滞在可能な期日が記入されます。日付を必ずその場で確認し、もし誤りに気付いた際はその場で申し出てください。後日修正となると、入国管理局へ出向いた上で修正を申請しなければなりません。
■家族同伴の場合
就労ビザ(Bビザ)の保持者本人の他にその家族も一緒にタイで同居する場合、その家族の方々は各自、家族ビザ(Oビザ)を取得する必要があります。Bビザ申請の時と同じ日本のタイ大使館にて申請取得のうえタイへ入国してください。
■BOI(タイ投資委員会)の投資奨励企業の場合
BOI(タイ投資委員会)の恩典を受ける会社、ある基準以上の投資額を満たしている等の場合、ワンストップサービスセンター(OSOS)にて一般よりも早く認可を受けることができます。さらに、2018年から外国人労働者がビザと労働許可証を申請するための「シングル・ウィンドウ・システム」という電子サービスシステムが新たに導入されていて、時間とプロセスが大幅に削減されました。
■会社の必要資本金=1名×200万バーツ
外国人労働者を雇用し、ワークパーミットを取得するためには、1名につき最低200万バーツの資本金が必要となるため、資本金が200万バーツ未満の会社は日本人を雇用できません。なお、資本金は登記簿上で100%払い込み済みとなっている前提です。
■給与の最低月額は50,000バーツ
乗じて納めるべき所得税や社会保険料が算出されます。
日本人1名につき、タイ人4名を雇用
準じて例えば日本人2名雇用の場合はタイ人8名の雇用義務
VAT(付加価値税)を払う事業者として登録済みであること
※BOI(タイ投資委員会)の恩典がある会社では、各社内容に応じた優遇措置があります。
※Oビザ所有者の場合はこの限りではありません。
■Oビザ所有日本人の雇用でタイの会社が負う条件
冒頭でも触れましたが、この場合のOビザはタイ人配偶者として取得した結婚ビザです。結婚ビザ所有者が労働許可証を取得する際、Bビザに切り替えなければならばいというお話も聞かれますが、その必要なく、そのまま取得可能です。そればかりか、会社にとってはBビザの人を雇用するよりも有利な条件となります。
※日本人駐在員家族等のOビザとは異なります。
以上、ここでご説明申し上げております内容全般にわたりましては、予期無く、不定期で変更されることがあります。
手続きの際はまず専門のコンサルタントや手続き代行業者等にご相談の上、タイ政府から出される最新情報をしっかりと把握されることをお勧めいたします。
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