タイで人材を採用するために知っておきたいポイント
タイで人材紹介会社をお探しの方に、知っておくべきポイントとオススメの人材紹介会社をご紹介する特集ページです。
▼タイで人材紹介するために知っておきたいポイント
▼タイでの人材紹介について相談先を見つける
タイにおける人材の現地採用について
タイで事業を行う際、注意しなくてはいけない点に、外国人事業規制法の存在と外国人が働くための入国ビザと労働許可証の取得があります。労働許可証取得の運用要件には、「外国人(日本人)1名の就業について、タイ人4名の雇用が必要」とありますので、日本人スタッフを派遣する予定であれば必ずタイ人を雇う必要があります。今回は、タイ人スタッフの雇用についてまとめてみます。
上記のように、日本人がタイで働くために、タイ人スタッフを雇用する必要があるということは、事業進出に関して、ひとつのリスクと考えることができます。しかし、事業を伸ばしていくためには、タイ人スタッフなしでは達成できないので、当初から、タイ人スタッフの協力を得て、スピード感あるスタートアップをしたいところです。タイ人スタッフを雇用するために、現地の人材紹介会社を利用する方法、求人求職webサイトでの告知、新聞広告、知人を介しての紹介など、いろいろな方法があります。特に初めての場合は、人材紹介会社や信頼できる現地アドバイザーなどに相談することが法的リスクを冒さない方法だと考えます。
現地スタッフの採用で注意すべき点は、4点です。
1.タイ国労働基準法
2.雇用契約と就業規則
3.採用と解雇
4.タイ人スタッフと仕事をするポイント
人材紹介会社によってどんな違いがあるか?
人材紹介会社には、それぞれ特色や得意分野があります。御社に合った紹介会社を探す上で参考にしていただければ嬉しいです。
1:登録型かサーチ型か
登録型が一般的な人材紹介のスタイルです。相談や人材のスクリーニングは無料、採用決定もしくは、求職者の就業がスタートした時に課金となる場合が多く、費用は日本人、タイ人共に年収の20~25%程度といった形が一般的です。会社によっては、ビザ申請代行、サポートまでサービスに含まれています。
一方、サーチ型とは、いわゆるヘッドハンティング型の採用方法もあります。一般的にマネージャークラス以上の方を探す場合に効果的と言われています。人材紹介会社によっては、両サービス行っている場合もあります。気になる方は、問い合わせてみてください。
2:全業界対象か専門特化型か?
全業界対象か専門業界に特化しているかについても、人材紹介会社を選ぶポイントのひとつです。各企業の特徴を確認した上で自社に合った紹介会社を選ぶことをお勧めします。
3:営業担当者の重要性
会社による違いだけでなく、担当者がどれだけ熱心に動いてくれるかも重要なポイントになります。担当者が求人内容を正しく理解し、案件の特徴や魅力を求職者に届けなければ、多くの求人情報の中に埋もれてしまいます。担当者によって、採用できる人材の質が変わることも少なくありません。良い営業担当者と巡り合うために、複数の人材紹介会社へ相談してみてもいいかもしれません。
タイの労働基準法について
タイの労働基準法は、労働者を守る法律になっています。基本的に会社側は守られないと考え、いかに防御するかという考えで臨むくらいでちょうどいいかもしれません。
▼労働時間1日8時間、週48時間を越さないこと。定時以外は残業となります。
▼休憩時間通常、午前、昼食、午後に休憩を取ります。連続5時間以上就業の場合は1時間休憩となります。
▼休日週1日以上の休日とします。国で定められた13日以上の祝祭日。まれに政府が急に決める休日が入ることもあります(国政選挙の翌日、祭日と土日の間の日とか)。
▼時間外労働残業休出は、基本給/30日/8時間を基準として、休日勤務は2倍、通常勤務日の時間外労働は1.5倍、休日勤務の時間外労働は3倍となります。時間外労働が2時間以上ある場合は、時間外労働に入る前に20分の休憩を取得させるようにします。
▼年次有給休暇1年以上勤務した者に対して、6日以上を付与すること。1年未満の者にも勤務期間により月割で付与すること。
▼特別休暇疾病休暇、避妊手術休暇、出産休暇、軍務休暇、育児休暇など特別事由による休暇が多くあります。
▼試用期間119日以下の試用採用期間を持つことができますが、社会保険への加入など、通常採用と同じように対応しておく必要があります。この期間内であれば、解雇保証金支払いの必要はありませんが、解雇あるいは退職する場合でも1ヵ月前に事前通告する必要があります。
タイ雇用契約と就業規則について
タイでは、10名以上の従業員がいる場合には、労働局に就業規則を届出する必要があります。しかしながら、数名であっても、会社の決まりとしての就業規則はあった方がいいので、会社設立当初から、タイ労働法に準じた就業規則を作っておくことをお勧めします。
また、雇用契約を締結する場合でも、就業規則を一読させ、内容を理解させたうえで、契約することをお勧めします。就業規則には、労働日、勤務時間、休憩時間、休日、休日取得方法、超過勤務と休日出勤の取り扱い、基本給、超過勤務手当、休日勤務手当、休日超過勤務手当などの支払方法、規則と罰則&減給方法、苦情申出先と方法、雇用契約の解消と退職金 などの項目について網羅するようにします。
一般に、就業規則の雛形があるので、それを元に自社の事案を追加していき、漏れのない就業規則を作ることが大切です。
タイの採用と解雇
タイ人の人材にも、日本と同様にできる人もいれば、そうでない人もいます。実際に、できると言っていたので採用してみても、実務はまるでだめというケースもあります。また、転職でステップアップ(給料の)をするケースも多くありますので、自社にふさわしい人材か、給料レベルが適切かを見極めて採用したいものです。
そのためには、自社がどの程度の人材が必要で、どんな業務が発生するのか、どの程度の裁量を持たせるのかなど、業務プランを立てる必要があります。タイ人スタッフの中には、面接の際に提示された業務以外の仕事はやらない、やりたくないと言う人もいます。
また、日本語人材は、大学新卒でもずいぶんな給料を要求してきます。仕事ができないのに、社会の仕組みも知らないのに、です。通訳として雇用する場合には、その力量をしっかりと判断してください。
さらに、解雇はお互いに嫌な時間を過ごさなければならないものです。会社都合で解雇する場合には、勤務期間によっては、最大10ヵ月分の解雇手当が必要になります。
しかしながら、解雇するには、それなりの理由があるわけですから、それを従業員に示し、納得させる必要があります。よく口頭で注意したということをいう日本人駐在員の方がいますが、それでは証拠になりませんので、イエローカードを出す際に、必ず、確認の署名をもらうようにします。それが複数回になった場合に、解雇理由として提示し、円満に解雇するようにします。 タイでの事業を成功させるも失敗させるも人、特にタイ人スタッフです。いい人とめぐり会うのは、難しいかもしれませんが、タイ人は人についてくるタイプが多いので、是非ともいい関係を築き上げて、事業を成功に導いてください。
タイ人と仕事をするポイント
タイ人は、仕事場の雰囲気、居心地の良さに敏感に反応します。自分のやっている仕事に不満がなくても、職場の雰囲気が悪い、居心地が悪いと言った小さなこと(と言ってはいけませんが)で、退職するケースも多くあります。また、待遇が悪くなったとか、既得権益をそがれるようなことで、職場を変わることもあります。では、いい職場の雰囲気とはどんなものでしょうか?
▼ナムチャイ実際は、人それぞれなのですが、タイ人の大切にしている価値観にナムチャイ(ナム=水、チャイ=心)というものがあります。日本のおもてなしではありませんが、相手を思う気持ちとでもいいましょうか、魚心あれば水心あり、まずは従業員のことを思っていると示すことが大切です。
▼社内旅行、レクリエーションまた、タイ人スタッフは、会社あるいは上司のお金で、食事や旅行に行くことを楽しみにしています。食事会や社内旅行など、可能であれば、機会を作ってあげてください。そのような機会のあるなしで、ずいぶんと関係性が変わると思います。
▼ハイキアットもうひとつタイ人の価値観の中にハイキアット(目上の人を敬う気持ち)というものがあります。タイの王室、従業員の父母や家族、学校の先生、目上の人などを敬う、尊敬する気持ちを持って、タイ人に接してください。タイ人の優しさの中には、こんな気持ちが隠れているのです。そうすると、今度は、あなたが会社の上司としてハイキアットされるようになります。
▼タイの文化を知る日本と違う文化がタイにはあります。仏教、ムスリムなどの宗教、タイ国王と王室、足で物を扱わない、子供の頭には神が宿るなど、いろいろな違いがありますが、それを知り、それを尊重することも、海外で住み働くことのひとつの楽しみになることがあります。もちろん、それをタイ人スタッフと一緒になってやれることがあれば(季節の行事)、是非、トライしてください。
▼グレンチャイ最後に、タイ人のグレンチャイについて書いておきます。グレンチャイは、遠慮と訳しておきます。タイ人は本当に遠慮がちです。特に外国人上司の前では。「上司が忙しそうだったからグレンチャイで急ぎの報告をしなかった」という笑えない本当の話もあります。だからといって、頭ごなしに怒らずに、一度受け止めて、指導するような素敵な上司になってください。
タイに限らず、海外で働くということは、日本でいる時よりも大きなストレスがかかる場面が多くあると思います。しかしながら、海外で働くと日本で働いている時よりも、ストレス耐性のリミット値が下がるということも事実です。日本であればストレス限界値に届かなかったストレスも、リミット値が下がった海外では病気になる閾値を越してしまうことになる場合もあります。
会社内だけでなく、外にサークル活動の友達や趣味のグループに参加したり、時には、コーチングやカウンセリングを受けてたりして、海外でのご自身のパフォーマンスを高め、自己実現の可能性を最大限にして有意義な駐在員生活をしてください。
タイでの給与水準(月給)とは?
各職種レベル別の給与について表にまとめました。参考にしていただければ幸いです。
職種 | タイトル | 経験年数 | 日本人 (THB) |
タイ人 (THB) |
||
Min | Max | Min | Max | |||
営業 | セールスエグゼクティブ | 2-5 | 50,000 | 65,000 | 20,000 | 40,000 |
セールスマネージャー | 4-8 | 65,000 | 100,000 | 45,000 | 70,000 | |
マーケティング | マーケティングエグゼクティブ | 3-5 | 50,000 | 65,000 | 20,000 | 40,000 |
マーケティングマネージャー | 6-10 | 70,000 | 100,000 | 50,000 | 80,000 | |
バックオフィス | カスタマーサービス、コーディネーター | 1-8 | 50,000 | 60,000 | 20,000 | 30,000 |
アドミニストレーター | 1-5 | 50,000 | 60,000 | 20,000 | 35,000 | |
秘書 | 3-8 | 50,000 | 70,000 | 30,000 | 40,000 | |
経理マネージャー | 2-4 | 50,000 | 65,000 | 30,000 | 40,000 | |
人事マネージャー | 3-8 | 60,000 | 80,000 | 30,000 | 50,000 | |
IT | ヘルプデスク、エンジニア | 1-5 | 50,000 | 60,000 | 18,000 | 30,000 |
プロジェクトマネージャー | 8-16 | 80,000 | 120,000 | 50,000 | 100,000 |
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