インドで会社設立 (法人設立) する手順まとめ | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号

インド×会社設立特 集


インドで会社設立をお考えの方へ

インドへ進出するにあたり、「どのような形態で会社設立(法人設立)できるのか」「どれくらいの期間で設立できるのか?」などと疑問に思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
海外への進出・会社設立は日本と税制や法律、そして言語が違うこともあり、不安を抱えていらっしゃる方も多いと思います。

そこで、2013年より海外進出支援メディアとして世界各地のビジネスの専門家を紹介してきたヤッパン号が、インドへの進出形態やそれぞれのメリット・デメリット、進出までのステップ、必要な書類などについて解説いたします。

インドでの会社設立(法人設立)について知っていただき、実際に進出を検討される方へは、設立支援を行うヤッパン号おススメの専門家も紹介いたします!

それでは、1つ1つみていきましょう!

掲載情報については2021年7月5日時点における情報に基づいて、ヤッパン号編集部で作成したものです。ただし、その掲載情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。直接、専門家の方々にお尋ねすることをお勧めいたします。くれぐれも慎重にご判断ください。

1インドで会社設立するために知っておきたいポイント

ポイント1:インドで会社設立(法人設立)する際の進出形態とそれぞれのメリット・デメリット

ポイント1:インドで会社設立(法人設立)する際の進出形態とそれぞれのメリット・デメリット

進出形態によりそれぞれの活動できる範囲が異なるため、進出形態を選ぶ際には、そこで実際に予定している活動内容を検証する事が大切なポイントとなります。最も活動できる範囲が広いのは「現地法人」で、定款に記載した事業目的の範囲内で自由に事業活動が行えるほか、本社以外からの資金調達や不動産の取得なども認められています。

一方「支店」は日本本社の代理としてサービス提供を行うことはできますが、原則的には直接的・間接的な製造活動が認められていません(※インドの特別経済区(Special Economic Zone:SEZ)内での輸出目的で設立であれば、インド準備銀行の特別許可があれば製造活動も可能)。

「駐在員事務所」はさらに活動範囲が限定され、一切の営業や商業活動が認められないため、本社と現地企業との連絡窓口や提携促進を目的として設立される場合がほとんどです。「プロジェクトオフィス」に関しては現地でのプロジェクト実施に関連する活動のみに限定されており、事前にインド国内企業とプロジェクト実施に向けた契約が締結されていないと設立が承認されません。

これらの理由により、日本企業がインドに会社設立する際は「現地法人」を選ぶことがほとんどのようです。

下記に会社設立時の法人形態の違いを詳しくご説明いたします。

[現地法人]
日本企業がインドに進出し、会社設立する際に、最も一般的な進出形態です。現地法人には、資本構成により独資形態、インド側パートナーとの合弁会社など複数種類がありますが、日本企業がインドに進出する場合は、「非公開株式会社(Private Limited)」の法人形態を選択することがほとんどです。税金面では、完全にインドの税制が適応されるため、製造業などの業種によっては税制優遇が受けられる場合もあります。また、支店や駐在員事務所と違い、有限責任であるため、株主である本社への法的責任・債務は出資額を上限とし、日本本社のリスクを限定することができます。

[支店]
製造業以外(貿易や販売など)のサービス提供を本社の代理として行うことが可能で、事前にインド準備銀行による承認が必要となります。輸入販売等を主な事業とする場合には「支店」の形態でも問題ありませんが、「現地法人」よりも10%ほど実効税率が高くなります。 資金調達面では本社からの送金以外に、事業活動で得た資金を支店運営に利用することも可能ですが、独自で国内外からの融資を受けることは許されていません。また、本業として使用する場合においてのみ不動産の取得が認められています。

[駐在員事務所]
現地法人や支店よりも会社設立・維持コストが抑えられます。ただ、現地で可能な業務範囲が大きく制限され、営業行為は一切禁止されています。そのため、インド国内の調査や、本社とインド国内の連絡拠点として設立されるケースが多くみられます。事前にインド準備銀行による承認が必要となり、通常3年ごとに更新する必要があります。資金調達は本社からの送金のみで、不動産取得は認められていません。会社設立後の会計監査や税務申告は必要であり、本社側の営業活動方法によっては駐在員事務所が国内における恒久施設として認定されてしまい、課税対象となる可能性もあるので注意が必要です。

[プロジェクトオフィス]
事前に締結されたインド国内企業とのプロジェクト契約実施に関する活動のみに限定されます。大規模な建設工事やインフラ事業などを想定されており、プロジェクトが終了すれば撤退しなければいけません。インド準備銀行が認める一定の要件を満たせば自動承認されますが、そうでない場合には事前承認が必要になります。駐在員事務所と同様に、独自での資金調達や不動産取得は認められていません。

インドに会社設立する際の進出形態の主な違いを表にしました。

インド進出形態 4パターンの比較表

現地法人 支 店 駐在員事務所 プロジェクト
オフィス
営業行為の可否 一定の業務のみ可
※製造行為は原則不可
× プロジェクト業務のみ可
資金調達 ・本社からの送金
・事業活動による利益
・借入や増資
・本社からの送金
・事業活動による利益
・本社からの送金 ・本社からの送金
不動産の取得
※本業使用目的のみ
× ×
日本への送金
※利益配当

※事業活動の税引き後、利益を送金
× ×
インド準備銀行の証人 必要なし 必要 必要 必要
※条件次第で不要
法人税
※課税対象所得1億ルピー越えの場合
29.12%~34.94%
※配当税なし
(2020年4月1日より)
43.68%
※配当税なし
(2020年4月1日より)
原則なし 43.68%
※配当税なし
(2020年4月1日より)

日本企業がインド進出する場合は、現地法人を設立する場合がほとんどですが、現地法人には複数の法人形態があります。下記に詳細を記載します。

[有限責任会社(Limited Company)]
出資者の責任が、保有株式の金額に限定されている会社形態で、日本の株式会社に該当する形態です。公開会社・非公開会社の2種類にも分かれており、いずれもインドに居住する取締役が必要になります。居住取締役の国籍は日本でも問題ありませんが、当該年度のうち182日以上インドに居住していなければいけません。日本人を取締役に選任する場合、身分証明として日本のパスポート、運転免許証及び最新の電気料金明細などを用意し、翻訳してから日本の公証人役場で公文及びアポスティーユの取得を行う必要があります。

1)公開会社(Limited Company)
株式・社債の公募が可能で証券取引所への公開も可能な会社形態であり、株主が7人以上、取締役は3人以上必要です。取締役3人のうち、1人は居住取締役である必要があります(居住取締役とは、当該年度中182日以上インドに滞在している取締役)。公開会社を選択した場合、各種コンプライアンスが加わるため、ご注意ください。最低資本金は会社法施行時に50万ルピーとされていましたが、2015年に改訂され撤廃されています。 また、一定規模以上の公開会社の場合、独立取締役、女性取締役、監査委員会、重要な管理職等の設置が求められることに注意が必要です。

2)非公開会社(Private Limited Company)
インド進出の最も一般的な法人形態と言えます。 付属約款に、株主譲渡制限、株主数を200名以下に制限、有価証券の公募の禁止の事項が規定されている会社と定義されています。設立には株主が2人以上、取締役は2人以上必要になります。取締役2人のうち、1人は居住取締役である必要があります。最低資本金は会社法施行時に10万ルピーとされていましたが、2015年に改訂され撤廃されています。

【保証付き有限責任会社(Company Limited by gurantee)】
原則として有限責任であり、株主は出資を限度とし責任を負います。但し会社が清算・解散した場合に、会社の債務に関して、株主は定款で定められた金額を上限として債権者に対して責任を負う必要がある会社を保証付き有限責任会社と言います。

【無限責任会社(Unlimited Company)】
会社が清算・解散した場合には、会社の債務に関して、社員(出資者)は構成員が債権者に対して無限に連帯責任を負う必要があります。一方で無限責任会社は株式を発行せずに設立することが可能なのが特徴です。

ポイント2:インドで会社設立(法人設立)するための
10ステップ

ポイント2:インドで会社設立(法人設立)するための
10ステップ

ここでは、インドで会社設立する際に、もっとも一般的な進出形態である現地法人のうち、「有限責任会社(非公開)」について、会社設立までの流れを記載します。また、各ステップの所要日数を記載しておりますが、インドの場合、状況により大きく所要日数が異なりますので、あくまで目安としてお考えください。自社において実際に会社設立までに必要な期間がどれくらいになるか正確に知りたい場合は、専門家に相談することをオススメいたします。

会社設立までの10STEP 想定所用時間
STEP 1 取締役登録の準備 3週間~1ヶ月
STEP 2 商号の申請・予約 1~2週間
STEP 3 基本定款/付属定款の作成および登記住所の決定 1週間
STEP 4 登記証明書(COI)取得・会社設立 1~2週間
STEP 5 社印作成 1~3日
STEP 6 第一回取締役会開催 1週間
STEP 7 銀行口座開設 1~2週間
STEP 8 資本金送金 1~3日
STEP 9 株式発行 1~2週間
STEP 10 事業開始届の提出 1~3日
STEP1
取締役登録の準備

全ての取締役はインド所得税法にて基本税務番号(PAN)の取得が義務付けられています。また、インド会社設立登記の際、取締役候補のうち最低1名の電子署名証書(DSC)が必要となり、設立登記後のコンプライアンス時には全取締役のDSCが必要となります。そのため、このタイミングでPANのみならずDSCも全取締役が取得する場合が多いです。PAN及びDSCの取得には「日本国内での準備すべき事」と「インドで提出するもの」があるため、手続きの際には事前準備や打ち合わせをしっかり行うことが大切です。状況によっては書類準備だけで1ヶ月以上掛かることも珍しくありません。無駄な手間暇を掛けるよりも、専門家に任せるほうが得策と言えるでしょう。

STEP2
商号の申請・予約

インドの会社登記局へ商号の申請を行います。申請が通らない場合もありますので、手続きをスムーズに進めるためにも、会社名の候補を複数(最大4つ)検討しておきましょう。1回の申請では2つの社名のみ申請ができ、親会社と類似した称号を使う場合は、「当該商号を利用することに対して異議がない」旨の取締役会決議が必要です。

また、既存の会社に類似している会社名の場合は、事前に当該商号の使用について、異議がない旨のレター(No Objection Certificate Letter:NOCレター)を既存の会社から受領する必要があり、加えて当該NOCレターを決議する取締役会議事録の写しを提出します。書類に不備がなければ、申請後1~2週間程度で、結果がわかります。予約ができた場合は、その後20日以内に会社を設立する必要があるため、ご注意ください。

STEP3
基本定款(MOA)と付属定款(AOA)の作成および登記住所の決定

インドでは基本定款(MOA)および付属定款(AOA)の2種類の定款を作成する必要があります。MOAには会社名や会社住所を登録した州、事業目的や株式について記載されます。AOAには株主総会や取締役会、配当や会計などの規定が記載されます。会社法に付属定款の標準モデルが規定されているので、特に定めがなければこの標準モデル上の規定が適用されることになります。

また、登記住所を決定し下記の必要書類を準備します。

<必要書類>

・公証済み賃貸契約書コピー

・登記住所使用を許可する取締役決議書

・登記住所が記載された公共料金明細

なお会社設立登記時に詳細な住所が決定していない企業は、設立登記州のみ決定すれば登記可能ですが、登記完了後15日以内に会社の登記住所を会社登記局へ届ける必要があります。

STEP4
登記証明書(COI)取得・会社設立

会社登記局へ法人登記の申請を行います。登記の際には登記住所を設置する州ごとに定められた、印紙税を納付し登記を行います。会社設立が完了すると登記証明書(COI)が発行され、証明書に記載された日から法人格を有し、従業員の雇用、外国人(日本人を含む)のための就労ビザ取得が可能になります。

なお、会社登記と同時に、インド所得税局より各種税務番号「法人の基本税務番号(PAN)」と「源泉徴収番号(TAN)」が割り当てられます。

STEP5
社印作成

インドでも会社の印鑑が必要になります。会社設立が完了したら、業者を見つけて作成しておきましょう。

STEP6
第一回取締役会開催

会社設立後には設立後30日以内に第一回取締役会(監査役選任・銀行口座開設・設立費用の処理など)を行い、会社設立内容の追認と初年度の監査人を選定します。

STEP7
銀行口座開設

ステップ6で決議した内容に基づき、銀行口座を開設します。銀行口座は、日系・インド系といずれの銀行でも構いません。

STEP8
資本金送金

インドルピー建てで資本金の払い込みを行います。資本金が着金した後に、銀行からFIRC及びKYCを発行してもらう必要があります。株主から資本金の振込が行われた日から30日以内にインド準備銀行へ「資本金の着金に関する報告」を完了すれば、登録番号が発行されます。

STEP9
株式発行

第2回取締役会を開催して株式割り当てや発行について決定後、会社設立登記後60日以内に株式の割当を行います。株式を発行したら、発行後30日以内に「株式割り当てに関する報告」をインド準備銀行へ報告する必要があります。

STEP10
事業開始届の提出

インド会社設立登記完了後60日以内に、事業開始届(INC-20A)を会社登記局へ提出する必要があります。INC-20Aを提出して初めて営業活動が可能となります。

以上、インド会社設立の手続きをご紹介しました。プロセスにおいては順次オンラインでの申請等が可能となってきていますが、やはりスムーズに進めるためには現地の最新事情に詳しい専門家、代行会社へ依頼することが一番の近道といえるでしょう。

記事監修:スズキグローバルコンサルティング株式会社(SGC)

記事監修:スズキグローバルコンサルティング株式会社(SGC)

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