▼海外における御社の事業内容や従業員数などにつき、お聞かせください。
弊社は東証一部上場のマクロミルグループです。グループとしては世界に49拠点あり、スタッフ数は連結で2200人です。
Macromill South East Asiaは日本・タイ・ベトナム・インドネシアに拠点があり、40名ほどの組織になります。私の所属するタイ拠点では、日本人2名・タイ人8名の人員構成で日々業務を行っています。
現在のタイ拠点は、もともと2014年8月に発足したW&Sという別会社でしたが、2017年からMacromillと業務資本提携を開始し、2019年4月に株式の51%をMacromillが取得しグループ傘下に入りました。
総合リサーチ会社として、企業の商品開発やブランドの認知、、顧客満足度向上など企業活動における様々な局面で表出し得る課題をリサーチサービスを通じて解決に貢献することを業務としております。お客様の4割程度が日系のクライアントになります。
オンライン・オフラインのあらゆる手法を駆使し調査にあたっています。その中でも弊社が強みとしているのは、東南アジア最大規模のオンラインリサーチ用会員(パネル)を活用したネットリサーチです。
タイ・ベトナム・インドネシアで130万人超の自社パネルを保有しています。
オンラインリサーチは、オフラインのリサーチに比べ費用も納期もかなり圧縮できるサービスです。日系・外資系・タイ現地企業問わず、調査をクイックに、手軽に始める第一歩として幅広くご利用いただいております。
▼業界において、東南アジア独自の傾向などありますでしょうか。また、コロナウイルスの影響についても教えてください。
東南アジアではまだまだ調査慣れしている会社が少ないと感じています。
調査を行うにしてもオフラインがメインで、オンライン調査の重要性を感じつつも、オフラインの方が信頼できると考えている人が多いようです。
コストが多少上がったとしても、今までのオフライン調査を継続するなど、オンライン調査があまり受け入れられていません。やはり現場の人からすると、業務を変えることへのハードルが高いようです。
しかしコロナウイルスの影響で、風向きが変わりつつあります。
タイでは現在でもオフラインで集まって調査を行うことも可能ですが、海外のクライアントがタイの調査を行いたい場合、そもそも入国できないという状況になっているからです。
世界的にコロナウイルスの収束の目途が見えないため、今後アジア各国でもオンライン調査の需要がさらに高まってくると思われます。
▼御社の人事/人材育成についてお伺いしたいのですが、タイ人スタッフの方は新卒採用の方が多いのでしょうか?
先ほど申し上げた8名中半数は新卒採用での入社になります。ただ東南アジアにおいては、新卒人材は2~3年で退職するケースが多いです。タイでは、社会人経験を数年積んだ後、大学院に行く人が多いように感じています。卒業後は好待遇の会社へのキャリアアップを考えているようです。
そのため弊社では、中途入社のスタッフに責任を持たせ、現場を回していくというスタイルをとっています。新卒人材の育成を行うことはもちろんですが、それ以上にシニア層のスタッフに経験をつんでもらい、会社の中核となる人材へと成長してもらうことにウェイトを置いています。
▼具体的にシニア層にはどのような経験ができるよう働きかけているのでしょうか?
現在はMacromillグループの一員にもなりましたので、「タイ拠点だけでなくASEAN全体を統括する立場になってほしい」ということや、スキルアップのため日本へ研修に行ってもらうなど、少し先のキャリアを見据えて仕事を任せています。キャリアステップをこちらから提示することにより、社員のモチベーションの向上にもつながっていると思います。
また、現地の幹部社員とのコミュニケーションは意識して量を増やしています
プロジェクトの進捗度や売上や利益を含めた会社の現状、目標など細かな話を含め、日ごろから密にコミュニケーションを取っています。
⇒次ページ「思うように進まないアジアでの仕事。ロジカルでストレートなコミュニケーションが打開策に。2/2」
日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。 |