【フィリピン現地法人の事業内容】
―まず御社の事業内容を教えてください。
弊社は東証一部上場企業であるKlabのフィリピン現地法人という形で、主にスマホ向けのゲームやアプリ開発をしています。現在、社員はフィリピン人と日本人合わせて160名くらいです。
―もともと野口さんがフィリピンで起業したCyscorpionsにKlabが出資して、今の会社になったと聞きました。
そうです。私は2007年にCyscorpionsをマニラのマカティで起業しました。当時の社員が20名ほど。日本から携帯コンテンツの開発案件などを受託していました。私が日本に帰国して営業をして開発案件を受注して、その開発をフィリピンでやっていたという感じです。
2010年に事業は黒字化したのですが、逆にそれが良くなかったのか、社内に緊張感がなくなった。しかし、私には危機感がありました。飯を食えるようになったけど、それでいいのかと。もっと成長しなければと思ったんです。
そんな時、Klabが日本で株式上場して、社長の真田さんが海外事業の展開を検討し始めていました。もともと私は学生時代からサイバードという会社で働いていた関係で、真田さんのことはよく知っていました。真田さんから「太郎、ぜひフィリピンで一緒に事業をやろう」と声をかけてくれました。そこで私もこれは更なる成長のための良い機会だと捉えて、Klabから出資を受けることに決めたのです。
【国際分業体制について】
―Klabグループの中で、フィリピン現地法人はどんな位置づけですか?
弊社は2つの役割を担っています。1つ目が日本のKlabのオフショア先という側面。現在、日本ではエンジニアのコストがかなり高くなり、また同時にアプリケーションのリッチ化が進み、日本でのゲーム開発のコストが大きな課題となっています。その開発コストを削減する目的ですね。
2つ目がグローバル向けのゲーム開発。Klabはアメリカにも子会社を持っています。アメリカでは北米や欧州向けゲームのマーケティングや企画を担っています。そして、そこで企画されたゲームを開発するのがフィリピンということです。
―なるほど。国際分業をしているわけですね。
そうですね。グローバル向けのゲームに関しては日本を通さずに、アメリカとフィリピンだけでやり取りしています。