アジアでも地図ソフトを利用した立地評価を当たり前に
―まずはじめに、TerraMapについて簡単にご紹介頂けますか?
TerraMapは全国の地図と人口・世帯数などの統計情報を組み合わせたエリアマーケティング・商圏分析に最適なGIS(geographic information system : 地図情報システム)です。国勢調査データや各種統計データ、レポート帳票機能などがパッケージ化されていて、立地分析や販促エリア分析を誰でも簡単に行える商圏分析ソフトです。日本国内で流通業・不動産業を中心に2,200社以上(2018年3月末時点)の利用実績があり、店舗の出店候補地を検討する際や、効果的なエリアマーケティング手段を検討する際などに利用いただいています。
―御社はタイにも進出されていますが、タイでも同様の事業を展開されているのですか?
はい、タイのパートナー企業であるMapQuestAsia Co., Ltd.と共に、タイ全土の地図や統計データを搭載したTerraMap Thailandを販売しています。日本で20年以上培ったデータの加工・推計方法のノウハウを活かし、他社には提供できないデータを収集すると同時に、データの運用方法をタイの企業に提案していくつもりです。タイ国内の不動産市場ではまだまだ認知度が低いこの分野ですが、私共はそのパイオニアとしてTerraMap Thailandの魅力や導入効果を伝えていければと思っています。
―タイにおける不動産の立地評価は日本と異なりますか?
日本とタイでは状況が全然違いますね。日本の流通業の店舗開発者や商業施設のデベロッパーでは当たり前のマーケティングGISですが、タイでの認知度は低く、導入しているローカル企業は少ないです。
その背景には、人口・世帯数データの精度に関しても疑問を持つ人が多く、導入メリットを理解しづらい状況があります。さらに、タイの富裕層・中間層の消費は、現在のところ、大規模ショッピングモール内で完結することが多く、多くの流通業はそのテナントとして店舗展開をしていく反面、路面への出店が少ないことが挙げられます。
―まだ市場が未成熟なアジア市場だとは思いますが、今後の展開や、ビジョンを聞かせてください。
まず立地評価を必要としている日系の流通業、不動産業のユーザを増やしていきたい思います。次に、その実績をもとにタイのローカル企業に使い方と導入効果を伝え、マーケティングGISのマーケットを創造していく必要があります。そのためには日本でのノウハウを活かし「使えるデータ」を作ること、そして「データの活用方法」を伝えること、さらにこの製品の高いコストパフォーマンスを伝えること。そして最終的にタイの立地評価するときは=TerraMap Thailandと言われるように努力していくつもりです。
大和不動産鑑定様(監修企業)からのコメント 約2年前に、弊社のタイ市場調査の際にお世話になりました。ビジュアル的に使いやすい地図に、簡単な操作で人口動態、世帯数が表示されるので、タイの調査には重宝しており、非常にお勧めです。不動産業界において、GISデータを扱う企業の存在は非常に貴重であり、今後タイの不動産投資への注目が高まるつれ、TerraMapの存在感はさらに高まってくると考えています。 |
大和不動産鑑定 とは50年以上に渡り、法人に対して、不動産に関する情報やサービスを提供してきた総合不動産コンサルティングファーム。2017年よりシンガポールに法人を構え、本格的にアジア圏でのサポートを始めている。