―御社の概要と早瀬様のご経歴について教えてください。
現在弊社は世界10カ国に展開しております。イギリス以外はアジアの国々です。アジアでは最大規模の人材紹介会社として事業展開しています。シンガポールには31年前に進出し、各業界に対して人材紹介業をすすめてきました。現在は80人体制でオペレーションしています。お客様の6割が日系企業、残り4割が外資系企業やローカル企業です。社員は日本人が25名程度、その他はシンガポール人や中国人で構成されています。 私は2007年にJACリクルートメントに新卒入社しました。大阪支店から始まり、京都、東京で働き、2014年にインドの立上げを任されました。2017年の2月からシンガポールに赴任し、2018年からはインドネシアも管轄しています。 入社時より海外に絶対挑戦したいと思っており、「どうせいくなら一番チャレンジングなことをやりたい」と言っていたら、ふって湧いたようにインド立上げの話が舞い込んできました。インドでは顧客も求職者もゼロの状態から始まり、本当に大変なことばかりでした。しかし、今だから言えることでしょうけど、あんなに面白いことはなかったなと感じています。―日本においては、売り手市場と言われる人材業界の状況だと思いますが、アジアにおいて御社を取り巻く状況はいかがでしょうか?
市場自体はアジアと一括りできなくて、国によって事情が異なってきます。私たちのビジネスを取り巻く環境は、実は日本が一番ユニークなんです。世界的なビジネスSNSの「LinkedIn」に関しても、日本での登録人数は200万人ほどです。これは労働人口の4%程度が登録をしている数字なります。シンガポールにおいては、LinkedInの登録社数は100~150万人程度と言われています。これはシンガポールの就業人口の約40%にものぼる数字です。この数値からもわかるとおり、日本の人材データベースは「クローズド(閉鎖的)」、海外は「オープン(開放的)」という大きな違いがあります。 そうなると、お客様が私たち人材紹介会社に期待することが違ってきます。具体的には、クローズドな環境の場合、企業が候補者に直接アプローチすることができません。そこで、いかに優秀な候補者の母集団を形成するかが、人材紹介会社の役割となります。一方でオープンな環境の場合、企業が候補者にが直接リーチできてしまうので、どちらかというとニーズをすばやく汲み取ってスピーディーに人を送ることが重要視されます。―これまでと求められる人材像の変化、働き方のトレンド等はございますか?
現在、エンジニアは世界的に売り手市場だなと感じています。いろんな会社がベトナム、インドなどの人材を積極的に雇い入れていますね。インドネシアも担当国のひとつなのですが、ある大きなIT企業がジョグジャカルタにあり、首都のジャカルタに比べると優秀な人材でも人件費がとても安い。コストパフォーマンスを考えると今後は国をまたいで、リモートで社員を雇用するということがトレンドになるのではと考えます。 (次ページへ続く)次ページ > アジア4ヶ国での経験から語る人材マネジメント(2/2)
記事の監修
日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。 |