これは、「円高」「円安」といった通貨価値の変動による
ショップの利益が影響を受けるリスクです。
日本円と海外諸国の通貨の価値は絶えず変動しており、
この変動の内容によって国をまたいだ取引に影響が生じます。
たとえば、ショップを運営する会社の所在地が日本の場合、
ネットショップの画面上でドルやユーロなどの外貨で商品金額を表示すると、
お客様が購入された(レート変換された)タイミングによって
ネットショップを運営する企業へ日本円で入金される金額が変わります。
逆に商品金額を日本円で表示すれば、入金される金額は表示金額のとおりですが、
海外からのお客様は購入するタイミングにより支払う金額が異なる現象が起こります。
商社や銀行等では、輸出と輸入を両方行って金額を相殺し通貨の移動を抑えたり、
為替の予約を行って支払う金額を明確にしたりすることで、このリスクを軽減させています。
しかし、このような仕組みは大量の輸出入がある企業や為替取引の専門家ならばともかく、
すべての中小企業がすぐに始められるものではありません。
お客様の利便性をとるのか、利益の確保を取るのかは非常に悩ましい点ですが、
お店の利益を確保するケースでは、ネットショップの通貨を日本円で固定する方法があります。
具体的にはショップの基準通貨と金額を固定し、
この金額を購入時のレートで変換された金額でお客様が購入する方式となります。
日本の旅行客が海外の店舗でお買い物をするのと同じ感覚です。
デメリットとしては実際に払う金額が分かりにくいということ、
また、急激な円高が進んだ場合に並行して値上がりしてしまい、
売上が打撃を受ける可能性があります。
他方で本格的なローカライズを希望される場合には、
基準通貨を外貨に変更することをお勧めします。
利益率が変動するリスク、外貨建ての技能の用意、
会計の煩雑化といったお手間がありますが、
現地のお客様にとってより分かりやすい形でショップを運営することができ、
売上の拡大につながります。
最近の動きとしては、この2つの中間にあたる選択肢が生まれています。
為替リスクを決済サービス側が負担し、お客様の購入時に確定したレートをお知らせし、
為替にかかわるトラブルを防止できる決済サービスが、拡大しています。
このようなサービスを導入することで、為替リスクを抑えつつ、
異なる通貨圏の方へも販売しやすいネットショップを運営できます。
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