過去においては、シンガポールや香港への進出は節税スキームの一つとして利用されたことがあり、その際における比較対象は当然のことながら法人税や所得税などの税率が一番の比較対象となっていたように考えられます。
一方で、もちろん業界ごとにその進出理由は多種多様ではありますが、現在の国際ビジネスにおいては税率がその進出要素の大部分を占めることは非常に稀でボーダーレス化が進む国際ビジネスや国際間競争における地理的戦略性、または賃金格差を利用した労働力の確保、などがより大きな進出理由になっているように思われます。
その観点で考えると、シンガポールや香港を進出候補とする場合は日本との賃金格差があまり無い香港やシンガポールに労働力の確保をするための進出とは考えづらく、地理的戦略性を検討されているケースが多くなる様に考えられます。そのため香港とシンガポールは比較対象というよりも相互補完的な国として捉えることが可能になります。
2014年5現在においては、政治的な衝突が経済関係にまで影響を及ぼしている日中間ではあっても、巨大な消費者人口を抱える中国は今も、そしてこれからも魅力的な市場であることは変わりなく、香港はまさに中国を中心としたアジア地域への戦略拠点と考えることが出来ます。一方で、シンガポールは香港と共にどんどん開発が進んで行く東南アジア一帯への戦略拠点となるでしょう。
つまり今後、貴社が考えている海外事業戦略の方向性や貴社が属する業界、また貴社が海外事業投資ら投資資金を回収するために設定している期間などによって「どちらが良い」または「この国が良い」という判断は、大きく変わってきます。
但し、日本からの地理的な点を考慮すれば、香港は正にアジアの中心に位置しており、どこの国にアクセスするにもハブとしての機能を持ち合わせています。また、東京から5時間のフライトで来れるため、朝の便で日本を出発すればその日の午後には香港で仕事を入れてもこなす事ができ、時間を有効に使う事ができます。また、銀行も平日は4時半まで営業をしているため、そのままその日の内に用事を済ませる事も可能です。
また、隣には観光地としてのマカオがあり、香港から1時間のフェリーでしかも24時間結ばれている事から、観光客の通り道としてのビジネスにも大きく寄与しています。
各国の市場調査、マーケット調査についてご興味ある方はこちらをご覧ください。専門家へのお問合せが可能です。
→海外市場調査特集ページ
また、弊社では、下記のような個別相談会も行っております。
ヤッパン号を運営するIshinSG代表が応える「アジア進出相談会」