タイ歳入局より、内国歳入法本法への追加という形式で、移転価格についての法令の草案が発表されました。移転価格税制は非法令化の状態でありましたが、今回を機に法令化に向けて進んでいく方針です。
今後の進み方については、未定ですが、2017年度中に法令化されることが考えられます。
法令化により、関連会社間の取引情報として移転価格における文書を税務当局の権限にて納税者に求めることができるようになります。
今回の草案から解釈できることは、財務省令で規定される予定である関係会社間取引額を超過する場合、移転価格文書の準備が必要になると考えられることです。
内国歳入法(草案)
第71条の2 | 第1項 | 税務調査にて、関連会社間の取引価額が、独立した企業間と同様の価額でないと判断された場合、税務当局は、法人税算定上、収益および費用の額を更正する権利を持つ。 また、移転価格に係る更正が行われる場合、国際基準や国際条約を考慮し、タイ国が締結している国との租税条約に従う。 |
第2項 | 関連会社とは、以下の会社を指す。 株式を直接、または間接的に50%以上保有している関係にある会社。 また、財務省令にて規定された株式保有、マネジメント、管理支配関係などにより自らの意思で意思決定出来ない場合も含む。 |
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第3項 | 同条第1号に従い、税務調査官が関連会社の課税所得を更正した場合のみ、還付請求の期限を決める。この場合、還付請求は、法人税の申告書の提出から3年以内、もしくは税務調査による収益と費用の額の更正通知を受けた日から60日以内に税金の還付を申請する。 | |
第71条の3 | 第1項 | 省令で規定された(こちらの省令は規定予定)一定の取引金額を超過する関連会社間取引のある企業は、タイ歳入局長が定める書式に従って、各事業年度中における関連会社情報、また関連会社内取引の金額を記載した報告書を作成し、内国歳入法第69条に規定される法人税の申告期限内に提出しなければならない。また、その際、法人税申告書の提出も合わせて必要となる。 |
第2項 | 税務調査官は、歳入局長の許可を得て、一定の取引金額を超過する関連会社間取引(財務省令で規定予定)がある企業に対し、移転価格の分析に必要な文書もしくは証憑の提出を求めることがある。提出を求められた企業は、通知日から60日以内の提出が必要となる。ただ、特別な状況がある場合には、通知日から120日を超えない期間にて延長の申請が可能である。 | |
第35条の3 | 71条の3に従った書類を提出しない、もしくは正当な理由なしに書類に不備があった場合には、20万バーツ以下で罰金を課す。 |