シンガポール労働省(Ministory of Manpower)の調査によると、
2012年/業種別の平均賃金は以下のようになっております。
(※年金制度CPFを含まない正社員の月給)
全体 :男女平均 $3,000/男性 $3,250/女性 $2,828
製造業 :男女平均 $3,300/男性 $3,683/女性 $2,708
建設業 :男女平均 $3,000/男性 $3,000/女性 $2,708
卸&小売業 :男女平均 $2,708/男性 $3,000/女性 $2,463
運送業 :男女平均 $2,167/男性 $2,000/女性 $2,708
飲食&ホテル :男女平均 $1,517/男性 $1,950/女性 $1,334
情報通信 :男女平均 $4,281/男性 $4,667/女性 $3,765
金融&保険 :男女平均 $5,000/男性 $6,000/女性 $4,375
不動産 :男女平均 $3,500/男性 $3,500/女性 $3,444
士業&専門職 :男女平均 $4,083/男性 $4,875/女性 $3,555
行政サービス :男女平均 $1,600/男性 $1,600/女性 $1,600
教育 :男女平均 $3,938/男性 $4,333/女性 $3,500
福祉関係 :男女平均 $2,742/男性 $4,333/女性 $2,567
芸術&エンタメ:男女平均 $2,375/男性 $2,492/女性 $2,300
また、年度別の全体給与(月給)は以下のような変遷となっております。
$2,383(2007年)→$2,659(2008年)→$2,600(2009年)
→$2,708(2010年)→$2,917(2011年)→$3,000(2012年)
※参考資料:Labour Force in Singapore 2012 Report (Ministory of Manpower)
なお、日系企業がシンガポール人材を採用する場合、上記データより少し高めになることが予想されます。理由は、「Q2:シンガポールのワーキングビザの概要&状況を教えてください」でも説明させて頂いた通り、外国人のビザ取得が難しくなってきた現状を彼らは理解しており、シンガポール人を雇う必要性のある企業に対して、賃金交渉をしてくるケースが増えてきたためです。
また、日系企業がシンガポール人を採用する場合、以下2つの事を認識しておく必要があります。
それは、①CPF(年金制度)と②AWS(ボーナス)です。
【1 / CPF(年金制度)の概念】
まず、シンガポールでは国民が各々、確定申告をする法律となっています。そのため、会社側が従業員の所得税などを支払う必要がありません。つまり、日系企業がシンガポール人以外の外国人(日本人を含む)を雇用する場合、 “定めた月々の給与”=“会社が支払う総額”=“彼らの手取り金額”となります。
もう一方で、シンガポール人を採用する場合(永住権を取得した外国人も同様)、CPFと言う年金制度に沿った給与の支払いを行う必要があります。具体的には給与総額の15~20%(従業員の年齢や給与額によって変動)を、従業員個人+雇用した企業の双方が支払います。例えば、月給S$3,000の場合、その従業員の負担分として20%のS$600をCPFに、そして残りのS$2,400が彼/彼女の手取り金額となります。それに加えて、会社側も約S$600をCPFに支払います(実際は給与総額の15~20%)。合計でS$1,200。つまり、ローカル人材を雇用する場合は、給与の額面が外国人と一緒だったとしても、実質15~20%の負担増がローカル人材の場合、必要になってくると言う認識を持って頂く必要があります。
【2 / AWS(ボーナス)の概念】
シンガポールでは法律上、ボーナスの規定はありません。そのため、AWSと称されるボーナスを支給する会社とそうでない会社の2分化されている実態があります。支給する場合は、給与12カ月+1カ月分が相場です。なお、最初からAWS1カ月分を加えた13か月分を12分割して月給を定める場合もあります。年俸制の概念ですね。そのため、契約時に月々の給与額が、「AWSを含んだ月給(13か月分を12分割)」「月給+AWS」「(AWSなしの)月給」のどれに当てはまるかをしっかりと共有しておく事が大事になります。
また余談ですが、シンガポールでは出来高のインセンティブと言う概念は一般的です。特に営業会社では、フルコミッションの雇用形態も意外に多く存在しています。良い営業成績を残した場合はS$$5,000~6,000、芳しくない月の場合はS$3,000~3,500のラインになるようなイメージが一般的です。
なお、日系企業が外国で人材を雇用する場合、表面的な平均給与では分からないその国の事情などが必ずあります。弊社はシンガポールとタイの2か国に拠点を持ち、数多くの事例・事象と向き合ってきましたので、この2か国で人材採用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、シンガポールでは、ワーキングピザの問題も大きな注目を集めております。
ぜひ下記のQ&Aもご覧ください。
➔Q2:シンガポールのワーキングビザの概要&状況を教えてください
シンガポール人の採用、現地での外国人の採用等、ワーキングビザの取得について等、具体的なご相談がございましたら、こちらから人材紹介会社にお問合せが可能です。
なお、弊社では以下のような個別ご相談会も随時、開催しております。ぜひお気軽にご相談ください。
ヤッパン号を運営するIshinSG代表が応える「アジア進出相談会」