あえてポイントを絞り込むとすれば以下の3点でしょうか。
【①求人要件の明確化】
釈迦に説法ですが、採用活動を開始する前に、『業務範囲』、『必要な能力、経験、スキル』、『自分や自社に合う人柄』が明確であればあるほど採用活動を滞りなく進捗させることが出来ます。そのためにも、短~長期の事業計画に沿った組織図を作成することをおすすめいたします。当面目指している完成形の組織図から逆算して各ポジションの採用時期をまずは明確にします。こうして採用時期を明確にすることで、各時点で採用する人材に求める要件が浮かび上がりやすくなります。また求人要件が明確であればあるほど求人訴求力が高まります。理由は、応募する側の視点からみると、仕事内用が明確でない求人では、自分がどのようなキャリアを築けるのか、また責任と権限の範疇が分からないと感じるためです。そして、それらが不明確であると「成果への評価も不明確で曖昧なものになるのではないか?」と不安に思うようです。より良い候補者に応募してもらうためにも、詳細かつ魅力的な求人票が非常に重要となります。
【②現地に適した人事制度と運用】
僅か3ヶ国での経験から、やはりそれぞれの国でそれぞれの商習慣、制度、法律、職業観、倫理観が存在します。稀にあるケースですが、ある国での成功体験や考え、価値観を他国で導入しようとして奮闘されている企業を目にします。しかし、なかなか思い通りにはいかないことが多いようです。採用に関しては、仮に採用自体がうまくいっても、現地スタッフが定着しないこともしばしばです。変えない部分と現地に合わせる部分とを見極めて、各国に合わせた人事制度の構築、運用を行うことが肝要です。
【③スピード】
『外国の労働市場は流動性が日本と比べると高い』こうしたイメージや実感をお持ちの方々も多いと思います。無条件で同意することは出来ませんが、実感としては私も同感です。むしろ日本の労働市場が特殊だと言えるのかもしれません。採用責任者として、エージェントとしての双方の経験から、流動性が高い労働市場において共通して言えるのは、登録者も企業も意思決定が比較的速い。つまり「良い候補者」と思う候補者が現れたのであれば、あまり時間をかけ過ぎず速やかに内定を出すことです。意思決定のスピードには、本社から現地法人への『権限移譲』がどこまでなされているかが大きく影響を与えるように思われます。極端な例ですが、昨日応募があった候補者を今日面接し即内定、明日に入社という事例もありました。逆に良いと思った候補者だったが、結論を出さずに2~3日経過したため採用し損ねたという事例もあります。選考と意思決定におけるスピードを常に意識しなければ「逃がした魚は大きい」を実感することにもなりかねません。
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