シンガポールに関するQ&A不動産紹介サイトで気に入った物件を見つける、または日系不動産仲介業者に条件を伝え、物件を探してもらうことが一般的です。賃貸開始までの期間は、早ければ内見から1週間～10日で鍵の引渡しが可能です。初期費用は、家賃の3か月分（保証金2か月＋賃貸開始月の家賃1か月）の他、不動産仲介業者の仲介料、印紙税を支払う場合があります。
【解説】
初めてシンガポールで不動産賃貸をする場合、シンガポール独自の商習慣、契約条項があることから、日本人海外赴任者に慣れた不動産仲介業者を通じて条件の交渉、契約をすることが望ましくあります。
シンガポールにおける賃貸物件探しはおおよそ以下の流れとなります。
勤務場所までの所要時間、ショッピングモール等の有無、街の雰囲気などから、住む地域に目星をつけ（時間があれば実際に自らの足で候補地を歩いてみることをお勧めします）、WEBサイト（PropertyGuruなど）または不動産仲介業者を通じて気に入った物件を見つけます。気に入った物件が見つかれば、内見の日程を仲介業者にアレンジしてもらいます。
内見時には設備・家具の有無と状態、水廻り、建設工事などの騒音・粉塵を確認します。低層階では害虫（ゴキブリ、蚊、コバエなど）や害虫駆除のための殺虫剤が入ってくることがありますので確認して下さい。なお、内見後に仲介業者を変更する場合、契約に至らなくとも案内料として手数料を請求されることがありますのでご注意下さい。
内見後、候補物件について仲介業者を通じ賃料、契約期間、家具（テレビ、ソファーを付けるなど）、契約条件の交渉を家主と行います。傾向として借主よりも家主の力が強く、家主によっては部屋に住まわせてあげる、という感覚があるようです。部屋を確保するためには基本合意書（LOI）の締結と手付金（家賃の1か月分）の支払が必要となります。手付金は借主都合でキャンセルする場合返金されませんが、LOI締結後は原則として追加条件の希望は受け入れられませんので、LOI締結時期については早すぎず遅すぎず、タイミングを見計らう必要があります。
LOI締結後は、家主が追加で希望した家具など条件を整え次第、日程を決め最終の賃貸借契約書の締結、保証金（家賃の2か月分）の支払、鍵の引渡しを行います。法人契約の場合、家主によっては契約書に会社印の押印が求められる場合がありますので準備が必要です。鍵の引渡しの際には家主立ち会いのもと、各設備が正常に作動するかなど最終確認をします。また、LOI締結時に支払った手付金は賃貸開始月の家賃に充当されます。
既に退居済み、清掃済みの物件であれば内見から1週間から10日で鍵の引渡しが可能です。
仲介手数料については原則として家主負担の慣行がありますが、月額家賃がSGD4,000以下など一定の金額に満たない場合には、家賃の1か月分など借主負担となる場合があります。また契約に伴い印紙税を借主が負担する場合があります。2年契約の場合、総賃貸料に対し0.4％の税率で印紙税が課されます。
鍵の引渡しが無事終われば、その後は家賃の支払いにつきGIRO（自動引き落とし）の申込、電気、ガス、水道、ごみ処理の申込（SP Serviceという会社が一括で引き受けます）、エアコン清掃業者と定期点検の契約、また必要に応じてインターネット、ケーブルテレビの開設手続を行います。一般的には全て不動産仲介業者がアレンジしてくれます。
