日本人もそうですが、人前でミスを注意されたりするのは気分がいいものではありません。これはフィリピンに限ったことではありませんが、プライドを傷つけるような注意の仕方はその後の関係にヒビが入りかねないので気をつける必要があります。また国民性や価値観が違う日本人とフィリピン人とではミスと言っても捉え方が違ってくるので、ルールに基づいて注意・指導することが大切です。下記にポイントをまとめてみました。
【1.人前で注意・指導しない】
時間に正確で几帳面な日本人と違って、フィリピン人従業員は遅刻や提出物の期限を守らないなど、業務上の細かい事で注意・指導しないといけない場面が多いでしょう。その際に、人前で注意することは彼らのプライドを傷つけることになり、その後の人間関係の悪化・従業員のモチベーション低下につながる恐れがあります。注意・指導する場合は、個室または周りに他の従業員が居ない時にするのがよいでしょう。
【2.ルールに基づいて、期待と改善策も合わせて伝える】
価値観が違うという事は、こちらが正しいと思っていても相手にそれが伝わるか分かりません。そのため、ルールに基づいて具体的に問題を指摘することが大切となります。また人間関係を構築しながら従業員の成長に繋がるように注意・指導していくのが良いでしょう。下記ポイントと遅刻時の指導例をあげました。
・自社ルールに何が反しているのか伝える
「月に4回の遅刻をしたら警告の対象になるのですが、2週目で3回の遅刻になっていますね。」
・従業員に対する期待を伝える
「後輩社員からもすごく慕われているので、ぜひ見本になるような先輩社員になってもらいたいし、その能力があると思っている。」
・改善策を伝える
「渋滞に巻き込まれての遅刻であるならば、家をあと20分出るようにするといいかもしれないですね。」
【3.感情的にならず、常に冷静に】
従業員を注意・指導する際に決して感情的になってはいけません。感情的になって従業員に何かを伝えようとしても受け入れてもらえないばかりか、その後の関係にしこりを残しかねません。常に冷静に言葉を選びながら注意・指導するのがよいでしょう。
【4.都度注意し、溜め込まない】
日本人的には小さい事を都度注意するのは躊躇してしまうと思いますが、小さい事を1回見過ごすことによって従業員は「このくらいのミスは大丈夫」と思ってしまいます。また、小さいミスの積み重ねで我慢の限界となり爆発的に注意すると、今まで見逃していたのにと逆に納得されない事態になる場合もあります。ミスが小さいうち・少ないうちに、面倒でも都度注意していくのが良いでしょう。
【5.信頼関係を構築する】
従業員との普段からの信頼関係があるなしで、同じ事を注意・指導しても受け入れられるかどうかが違ってきます。なので、常日頃からの信頼関係の構築にも留意することが大切でしょう。また、感受性が豊かなフィリピン人は日本人スタッフが自己都合や会社都合で言っているのを察知するので、常に従業員の事を考慮しながら愛情を持って注意・指導することが大切です。