フィリピンでの採用の流れは基本的に日本と変わりませんが、「バックグラウンドチェック」という点が大きな違いと言えます。採用までの流れと「バックグラウンドチェック」について下記をご覧ください。
【採用までの流れ】
大まかな流れとしては下記になります。また、企業によっては多少内容が前後する場合もあるでしょう。
①/募集
↓
②/書類選考
↓
③/面接
↓
④/バックグラウンドチェック
↓
⑤/条件提示&入社承諾
↓
⑥/入社時に必要書類を提出してもらう
↓
⑦/試用期間雇用契約書
【①/募集】
フィリピンでの求人募集方法として、下記の4種類が主流となっています。それぞれメリット・デメリットがあるので考慮が必要です。
1:求人ウェブサイト・新聞広告を使用しての募集
フィリピンで有名な求人媒体は「マニラブリテン(新聞)」「Jobstreet(WEB)」「JobsDB(WEB)」等かと思います。
<メリット>:低予算で応募者が多く集まる。(特にホワイトカラースタッフ求人の場合)
<デメリット>: 応募が多くなるので書類選考、面接設定に労力が必要。またマネージャークラスや特別なスキルを求める場合は不向き。
2:人材紹介会社を利用しての募集
フィリピンの人材紹介会社はローカル・日系・外資と多くの会社があります。
<メリット>:募集・書類選考・面接などの工程が減る。優秀な人材を採用することができる。
<デメリット>:紹介手数料が費用としてかかる。
3:自社ホームページでの募集
<メリット>:コストがかからない。大手企業の場合は応募が多い。
<デメリット>:現地での知名度がない企業の場合は応募が少ない。
4:スタッフの紹介
<メリット>:コストがかからない。信頼できるスタッフからの紹介だとリスクが少ない。
<デメリット>:社内の人間関係が友人や家族による派閥ができる可能性がある。
【②/書類選考】
書類選考にあたってのポイントを下記にあげます。
1:フィリピン大学ランキング上位の卒業者を優先的に面接する。
2:転職回数が少ない。一つの企業に2年以上勤務しているのが好ましい。
3:職歴に一貫性があるか確認する。
【③/面接】
採用にあたっては面接が一番重要といえます。下記のポイントを考慮しながら面接すると良いでしょう。
1:経験・スキル
2:態度・人間性
3:前職/現職での成果や業績(※)
4:前職/現職での出退勤状況(※)
5:過去の退職理由(※)
6:前職/現職の手取り給与
7:通勤方法・時間
8:家族構成
(※)についてはバックグランドチェックの際に重要となります。
【④/バックグラウンドチェック】
フィリピンでは採用にあたりバックグラウンドチェックをするのが通常です。日本ではあまりありませんが、前職に連絡をとり採用予定者の勤務状況・態度などを確認します。バックグラウンドチェックのポイントは下記になります。
1:前職の上司に連絡をする。
(前職の同僚・友人だと事前に採用予定者が口裏を合わせる可能性があるので避ける)
2:面接時に確認した(※)印がある項目について虚偽がないか確認する。
3:現職には連絡しない。(採用予定者の現職での立場を考え連絡は控える)
【⑤/条件提示】
バックグランドチェックを終え、採用予定者を絞ったら最後は企業側からの条件提示になります。「手取り給与」「ポジション」の2点を入れた書面での条件提示が必要です。それぞれ、前職と現職の状況を考慮し、上回る条件を出すのが好ましいでしょう。
【⑥/入社時の必要書類を提出してもらう】
採用予定者から入社承諾を得た後は、下記の書類を提出してもらう必要があります。
1:Photocopy of Birth Certificate
2:NBI/police clearance
3:Photocopy of SSS or E1/Philhealth/Pag-IBIG/TIN
4:ID pic (1×1 & 2×2) 1 copy
5:Transcripts of Records
6:Diploma(photocopy)
7:Updated resume
8:Birth Certificate of Dependents(if any)
9:Medical check certificate
【⑦/試用期間雇用契約書】
フィリピンでは試用期間は一般的に6ヶ月となります。入社承諾時または入社当日に試用期間雇用契約書を用意するのが良いでしょう。