日本法人のフィリピン支店を設立する場合には、F103という申請書を利用します。このF-103という書式は支店設立申請書で、駐在員事務所同様にSECに登録を行なう必要があります。手順としては以下になります。大枠は駐在員事務所設立と同様になりますが、いくつか必要な手続が追加されます。
1. SECに社名の使用確認
社名の重複等が無いかの確認を実施後、SECから社名確認書を入手。
2. 取締役会議決書の作成
Resident Agentと呼ばれる代理人の指名をし、Resident Agentは文章にて指名を承諾する旨をSECに提出。日本の取締役会議決書は公証をした上で、日本のフィリピン大使館で認証を受ける。
3. その他、公証・認証を受ける書類の用意
日本本社の財務諸表と定款を英語翻訳を行った上で公証、フィリピン大使館の認証を受ける。
財務諸表についてはチェックポイントは3点。
A. 総資産が総負債を上回っているか
B. DEレシオが3倍未満か
C. 流動比率が100%を上回るか
それぞれの条件の掛け合わせによって設立承認がおりなかったり、追加の預託金などが発生するなど設立に影響を及ぼす可能性があるため要注意。
また、最低運転資金額要件対象外の事業となるケースを除き、企業属性によって本社から支店への初期送金としてUS$200,000、またはUS$100,000を送金した証明証書も公証を受ける。
4. 登録情報書類を用意。
SEC書式RDS96-2を利用してSECに登録申請を行ない登録証書を入手。
5. フィリピン中央銀行に登録
運転資金として送金した資金をフィリピン中央銀行に登録。
6. 地方各機関への手続き
Barangayと呼ばれる駐在員事務所所在地を管轄する機関から許可証(バランガイクリアランス)、 同様に駐在員事務所所在地を管轄する地方自治体から事業許可証も入手、同時に住民税の納付を行い住民税納付証明書の入手をする。
7. 納税者登録
税務署から納税者識別番号を入手し納税者登録を行なう。登録証明書を獲得。
以上が支店設立に必要な流れとなります。
よく支店の条件と子会社の条件を混合してしまうケースがありますが、まず支店を選択した時点で外資100%であることが確定するため、フィリピン資本が組み込まれていることが条件になっている事業については参入が出来なくなります。
また外資100%という前提で、諸条件をクリアしないと参入できないフィリピン国内市場に参入をするためには下記の要件があるため、これらをクリアする必要があります。
A. 先端技術を使用せず、50人以上の雇用をしない : US$200,000以上の運転資金が必要
B. 先端技術を使用する、または50人以上の雇用をする : US$100,000以上の運転資金が必要
C. 輸出型企業の条件を満たしている
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→フィリピンで会社設立 (法人設立) する手順まとめ
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