中国進出前の段階では、進出するべきか、どのように進出するかといった分析と検討が重要となります。一般的に、フィージビリティー・スタディ(Feasibility Study:以下F/S)と呼ばれるものです。F/Sでは、PEST分析、業界・市場分析、顧客分析、商流分析等が実施されますが、その一環として競合分析というものがあり、そこで競合調査が行われることになります。なお、F/Sではマクロ的な観点が重視されることから、ここで行われる競合調査も広く浅く、基礎的な情報の収集がメインとなります。
①どの企業が競合先に当たるかを知る
まず、中国における競合先を特定する必要があります。競合先に当たる企業が見つからない場合には、需要がない=市場自体が存在しない可能性があるので要注意です。
②売上推移や財務構成を知る
競合先が特定できたら、次に、当該企業の財務諸表を調べます。競合先が軒並み売上を減らしているようであれば、市場が縮小し、競争が激化している可能性がありますので、新規参入する際には十分な検討が必要です。また、財務諸表を見比べて、どこにコストがかかっているのかを確認しましょう。一般的に中国は人件費や原材料費が安いという魅力がありますが、他方で、政治体制が特殊であり、また、昨今の急速な経済成長で予期せぬ変化が生じている可能性があります。
③背後関係を知る
中国は国の影響が非常に大きいのが特徴です。競合先がいずれも大手の国有企業であったり、国の外郭団体であったりした場合には、そのシェアを奪うのは非常に困難な可能性があります。また、民間企業であっても、国や地方の政府に対して強いコネクションを持っている場合には、当該企業と競合する行為に対して予期せぬ逆風にさらされるおそれがありますので、この点もよく確認しておく必要があります。
【参考:調査方法について】
①について:弊方ではリストアップ調査の一環として対応が可能です。
②、③について:弊方では信用調査として対応が可能です。業者沿革、代表者等の経歴、子会社・関連会社の有無、報道記事・評判等についても調査し、財務分析・法的リスク分析とあわせてご報告します。
なお、弊社では以下のような個別ご相談会も随時、開催しております。ぜひお気軽にご相談ください。
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