皆さん、こんにちは。
東京コンサルティングファームトルコの三浦優美です。
今回は年金受給資格の条件の一つである労働日数についてお伝えいたします。
トルコの労働法では7,200日(7,200日=20年。トルコの社会保険は1年を360日として計算します)社会保険の被保険者として労働した場合、年金が支給されます。
この7,200日の計算につきまして、雇用されている期間をもとに労働日数を算出します。通常、雇用者側は労働者の雇用契約開始に合わせてSGK(社会保険機関)への登録が必要となります。
年金受給要件の一つである労働日数は当該SGKのシステムにより計算されます。
官報によりますと、SGKのシステム上では、1ヵ月間フルタイムで働いた場合、土日祝日含め30日間労働したとみなされます。
ですので、30日間(1ヵ月)×12ヵ月=360日となり、年金受給要件の日数をカウントする際には1年間を360日間としています。
もし月初・月末ではなく月の半ばに入社した場合は、入社日から月までの日数を労働日としてカウントします(土日祝日を含みます)。
例)2021年3月1日に入社した場合、SGKのシステム上では30日間労働したとみなされます。
2021年3月19日に入社した場合、SGKのシステム上では入社日から土日祝日を含めた月末までの13日間労働したとみなされます。
月初・月末ではなく月の半ばに退職をした場合も上記と同様のカウント方法となります。
例)2021年3月31日に退職した場合、SGKのシステム上では30日間労働したとみなされます。
2021年3月19日に退職した場合、SGKのシステム上では土日祝日・退職日を含めて19日間労働したとみなされます。
一方で、労働者の方が無給休暇を取得した際には、無給休暇分の日数が労働日から控除されます。
例)2021年3月に10日間の無給休暇を取得した際には、21日間労働したとみなされます。
→31日間(3月は31日間です)-10日間(無給休暇日数)=21日間(労働日)
※この場合は、1ヵ月30日間と考えるのではなく、3月なら31日間、2月なら28日間と、その月の全日数から無給休暇分をマイナスします。
また、労働者の方が傷病休暇を取得した際には、2つのパターンが想定されます。
パターン1:傷病休暇中、SGKからの給与補填を受けず会社側がその分の給与補填を行った場合
→傷病休暇期間中も労働したとみなされるので、SGKのシステム上では労働日の
カウント数には影響がありません。
例)2021年3月中に10日間の傷病休暇を取得し、それ以外はフルタイムで全日
出勤した場合(SGKの給与補填を全額会社側が負担した場合):SGKのシステム上では30日間労働したとみなされます。
パターン2:傷病休暇中、SGKからの給与補填を受けた場合
(会社側がSGKから支給される給与補填分を負担しない場合)
→傷病休暇中は労働日とカウントされません
例)2021年3月中に10日間の傷病休暇を取得し、それ以外はフルタイムで全日
出勤した場合(SGKからの給与補填を受けた場合):SGKのシステム上では21日間労働したとみなされます(31日間-10日間)。
【参照資料】
・官報28398
https://www.resmigazete.gov.tr/eskiler/2012/09/20120901-4.htm
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