ベトナムに進出した日系企業様から、人事制度についてお話を伺う際、「親会社の人事制度をそのまま翻訳して導入したが、しっくりこない。どうしたらいいものか。」というお悩みをお寄せいただくことが多いです。
そこで今回からは、「人事制度をローカライズする」というテーマで、人事制度をベトナムの現地事情にフィットさせるためのステップについてまとめてまいります。ベトナム進出後に必ず必要となるタスクのため要チェックです。
ベトナムでローカライズすべき制度とは?
まず、企業における基幹の人事制度というと、資格等級制度、評価制度、報酬制度の3制度を指すのが一般的です。これらの人事の基幹3制度のうち、「基本的にはグローバライズすべき制度」と「基本的にはローカライズすべき制度」に分かれます。資格等級制度と評価制度は前者に、報酬制度は後者に分類されます。
社内の階層構造や各職層に求める役割期待(資格等級制度で明示)、各職層や職種ごとの評価の視点や基準(評価制度で明示)といった内容は、日本法人やベトナム法人など拠点が異なったとしても、同じ業界で同じ業務内容に従事する限りにおいて概して汎用的です。
ただし、定性的かつ抽象的な表現が多い傾向にある日本本社の資料を、そのままベトナム向けに翻訳しただけでは、ベトナム拠点のスタッフにとって腹落感がないということはしばしば起きます。ベトナム進出直後は特に多いかもしれません。表現を定量化・具体化しながら、ベトナム人社員が受け入れやすいよう意訳することが、これら2制度のローカライズにつながります。
ベトナム法人や労働市場の実情を加味する
加えて、資格等級制度については、社内の階層数の妥当性の検証(ベトナム拠点にとって不必要に階層数が多すぎる場合は、適正数へ改訂する必要がある場合もある)や、昇格スピード(ベトナムの組織が全体的に日本より平均年齢が若い場合、昇格スピードを妥当なペースにあげる必要がある場合もある)も、拠点の実情に合わせて調整すべきポイントとなります。
一方で報酬制度は、ベトナムの労働関連法規や雇用慣習、労働市場相場等による制限を受けやすいために、自社としてこうしたいというロジックだけで設計できる制度ではありません。ベトナム進出後はこのように、現地事情を熟慮した根本的なローカライズが求められます。
なお、弊社ではベトナムの人事制度構築に関するサービスを提供しています。ベトナム進出後、現地に導入する人事制度に関してアドバイス等をお求めの場合は、ご相談ください。
※本記事はiconicJobの投稿をもとに作成しています。
対象ページ:
https://iconicjob.jp/blog/hrc/localization-in-human-resource-management_1