一口に人事評価と言っても、「どんな社員を評価したいのか」は会社によって異なりますし、同じ観点で評価するにしても、それぞれの観点の重要度(「重み付け」や「ウェイト」と言います)も会社によって様々です。これらはベトナム現地法人においても同様です。
ベトナム法人の経営方針にあった人事評価をするためにも、インターネット等に出回っている日本法人向けの雛形をそのまま流用するのではなく、今一度「ベトナム法人にいる社員の何を評価したいのか」を再検討し、それをもとに評価の構成要素を構築してみましょう。
とはいえ、何の情報も無しに検討するのは難しいと思いますので、よくある一般的な評価の構成要素①②③と、最近は採用する企業も増えている新しい構成要素④⑤を事例に解説します。ベトナム進出にあたり、人事制度構築の基礎を一から学びたい方にも有効です。
業績評価
ベトナム法人の経営目標達成のために、日本人やベトナム人スタッフ個人に落とし込まれた業績目標を期初に設定し、その達成度合いを期末に評価します。個人業績で管理されない場合は、グループ単位や部門単位などの業績目標の達成度合いを評価するケースもあります。実績に基づく評価となるため、「過去」の評価といえます。
能力・行動評価
等級定義における職位要件の達成度や、その職種における役割をこなすためのコンピテンシーを評価対象とし、「近い将来」にベトナム法人への業績貢献が見込まれる能力・行動が取れているかどうかを評価します。
情意評価
ベトナム法人の社員として求められる執務態度基準を設定し、その達成度合いを継続的に評価することで、長期的かつ継続的な業績貢献が見込まれるような、正しい執務態度で業務にあたれているかどうかを評価します。「遠い将来」の業績貢献のための評価といえます。
行動指針評価
ベトナム法人のミッションやビジョンをベースとして、社員に求められる行動指針の実践度合いを継続的に評価することで、自社に相応しい行動が取れる集団となっていくための評価項目です。
特別加点評価
自身の職種・職位に求められる役割を超えて、会社のために貢献しようとする積極的な取り組みやその成果を加点評価の対象とします。全社員に特別加点評価を得る機会を設定し、実際には役割を越えた貢献が認められた社員のみに加点して評価します。
これらのよくある評価の構成要素の中から、ベトナム法人として評価したい要素を特定し、全構成要素の合計が100%となるように(特別加点評価を入れる場合は特別加点評価以外の要素で100%とし、特別加点は100%に上乗せするイメージで配点する)、各構成要素ごと、職層ごとにその重要度に応じたスコア配分を、以下の表に基づき実施してみましょう。
役職 |
業績 |
能力・行動 |
情意 |
行動指針 |
特別加点 |
合計 |
マネージャー |
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100% |
スーパーバイザー |
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100% |
シニアスタッフ |
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100% |
スタッフ |
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100% |
この評価構成要素のスコア配分が出来上がれば、次のステップとして構成要素ごとに具体的な評価項目に落とし込み、各評価項目にスコア配分の範囲内で更に細かな重み付けを付与していくことができます。
次回は業績評価に焦点をあてて、評価項目の具体的な設定方法を解説します。
なお、弊社ではベトナムの人事制度設計に関するサービスを提供しています。基幹の⼈事制度である等級制度、評価制度、報酬制度の設計についてアドバイス等をお求めの方は、一度ご相談ください。
※本記事はiconicJobの投稿をもとに作成しています。
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