【香港】香港法人_BRとAR | 日本企業の海外進出支援サイト ヤッパン号


香港に関するコラム

【香港】香港法人_BRとAR

新型コロナウイルスの香港での感染者数は、2月27日時点で92人となりました。香港では外出時のマスクの着用率はほぼ100%で、エレベーターのボタンが定期的に消毒されたり、ビルやショッピングモールなど建物に入る際にセキュリティの人に検温されたり、もはやこれらが日常の光景となっています。香港はSARSの教訓から人々の感染予防に対する意識が高いため、香港人と比較するとどうも日本人は危機感が足りないように感じてしまいます。香港の人口密度は6,688人/k㎡と世界的に非常に高く、東京23区の人口密度と比較しても倍以上です。香港では外での移動手段は公共交通機関に頼ることが多く、この人口密集地で他人との接触を避けて生活するのは非常に難しいです。世界的に見て香港の感染者数は決して少なくありませんが、これだけ人と人の距離が近い環境で生活していることを考えると、現時点で感染者がこの数字で抑えられていることは個人や社会の努力の積み重ねが反映されているように思えてきます。

香港政府が発表した各種の緩和措置

先週、香港航空が室乗務員の約150名に解雇を通告しました。これは経営難に直面している同社の約400名を解雇する人員整理計画の第一弾です。昨今の状況から飛行機を利用する人が激減し、各航空会社は減便、運休を余儀なくされ、当然ながら航空会社の従業員も無給休暇の取得を要請されるなど影響を受ける事態となっています。香港の重要産業である観光業も直に打撃を受け、ホテルも集客のために格安の宿泊料金を打ち出して集客に奔走しています。この状況が長期化すると失業者が増えることが予想されますし、経済にも深刻な影響が出るのではという懸念が株価にも現れてきました。

 

先行き不安が漂う中、2月26日に香港政府が発表した2020/2021年度の財政予算案には各種の緩和措置が盛り込まれました。その中で最も注目を集めているのが「18歳以上の香港永久居民に1万香港ドル支給」という項目で、約700万人が恩恵を受けると見込まれます。また税金への各種優遇措置もあり、個人所得税や住宅など不動産にかかる地税の減免、さらに公営住宅に住んでいる低所得者へは家賃1か月の免除、7月に行われる中学生の統一テストの費用免除など、個人への救済措置が発表されました。また、企業に対しても2020/2021年度の商業登記証(BR)の費用を免除とし、150万人の経営者が該当すると見込まれます。年次報告書(AR)の更新にかかる費用も2年間免除すると発表されました。経済の一時的な低迷は避けられませんが、こういった優遇措置で少しでも個人や法人の負担が軽減すると良いですね。

BRやARについて

ところでこのBRやARについて、香港で会社を設立されている方ならよくご存じかと思います。香港独特のものなので、駐在で来られたばかりの日本人の方や、これから会社設立をお考えの方に向けて簡単にご説明しましょう。

<商業登記証(Business Registration Certificate)>

商業登記証(Business Registration Certificate、略してBR/BRC)とは、日本の登記簿謄本に似たもので、香港で会社を設立したらまずは法人登記をしてこのBRを取得します。BRは掲示する義務があるので、香港の飲食店や小売店では店内にBRを額に入れて掛けてあるところが多く、目にする機会が多いと思います。BRは毎年更新する必要があり、更新を怠った場合はペナルティが発生します。

BRの主な記載内容は下記の通りです。

・会社名

・法人番号

・会社住所

・事業内容

・有効期限

 

<年次報告書(Annual Return)>

年次報告書(Annual Return、略してAR)は会社の基本情報が掲載されている書類です。香港政府の会社登記所(Company Registry)に正式登記した会社の基本情報を載せた書類です。会社を設立した翌年から毎年、設立記念日から42日以内にARを更新して香港政府へ提出することが義務付けられています。もし42日を過ぎてしまった場合はペナルティが発生し更新費用に上乗せされます。変更がある場合は最初に会社登記所(Company Registry)に届けてから、ARを最新の内容に更新します。

ARの主な記載内容は下記の通りです。

・会社名称、会社住所

・資本金

・株主

・取締役役員

・会社秘書役

・登録抵当

・発行株式

 

これらの登録内容は公開され、第三者が閲覧できるため取引先情報を得る際にも役立ちます。また、会社秘書役と言うのは専門性が高い業務のため、一般的に企業は外部の専門家に委託しています。会社秘書役は法定書類を作成するので、ARの提出時期が近づくと実際には会社秘書役が作成したARに役員は目を通してサインをするというのが一般的です。

通常の会社設立の流れとして、会社を設立する際には定款を作成、それから登記申請の書類を揃えて会社登記所へ提出します。会社登記所と税務局での審査を経て、会社の設立が許可されれば会社設立証(Certificate of Incorporation)と商業登記証(BR)が発行されます。設立後の年次手続きは、BRの更新とARの提出となります。弊社でも会社設立のお手伝いや各種手続きのサポートをしておりますので、会社設立の流れ、設立後のフォローなどご不明な点はお気軽にご相談ください。

※本記事はH.S. Planningホームページ「香港法人_BRとARの投稿をもとに作成しています。

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