3月24日に成立したBayanihan to Heal as One Act(共和国法第11469号)に基づき、貿易産業省(DTI)は強化されたコミュニティ隔離(以下、ECQ)期間中に発生した住居やオフィスの賃料の支払猶予に関する覚書回覧第20-12号を4月4日付で発行しました。
賃借人の立場から見た場合、その概略は以下の通りです。
居住用物件 |
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居住用物件には、主として居住目的で使用されているベッドスペース・部屋・寮・アパート・家・建物・土地が含まれます。 |
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ECQ期間中に支払期限が到来した賃料については、本来の支払日から最低30日間の支払猶予が与えられます。 |
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ECQ期間中に支払期限が到来した賃貸料の累計額は、ECQ終了後、6か月間に分割され、その月の賃料に上乗せされて支払います。 |
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ECQ期間中の賃貸料が既に支払われていた場合、大家には返金の義務はありません。ただし、次の支払期限日から30日間支払猶予期間が与えられます。 |
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支払猶予分に対して、利息やペナルティ、手数料などは発生しません。 |
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30日間の支払猶予を設けなかった大家は、2か月間の懲役もしくは1万ペソ以上の罰金の対象となります。 |
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ECQ期間終了後30日間は、大家は賃借人に対して、賃料不払いによる立ち退きを要求することはできません。 |
商用物件 |
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商用物件には、利益を得ることを目的に使用されている土地、事務所、建物、センター、店舗、施設、その他の場所が含まれます。 |
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中小零細企業について、ECQ中に支払期限を迎えた賃料に関し、本来の支払日から30日間の支払猶予期間が与えられます。この猶予分に対して利息やペナルティ、手数料などは発生しません。 |
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※中小零細企業の別は土地を除く資産額によって以下の様に分類されます。 零細企業:P3百万ペソ以下 小企業:P3百万ペソ超 – P15百万ペソ以下 中企業:P15百万ペソ超 – P1億ペソ以下 |
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ECQ期間中に発生した賃貸料は、ECQ終了後、6か月間に分割され、その月の賃料に上乗せされて支払います。猶予分に対して利息やペナルティ、手数料などは発生しません。 |
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賃貸人が30日間の支払猶予を設けなかった場合は、2か月間の懲役もしくは1万ペソ以上の罰金の対象となります。 |
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ECQ期間中の賃貸料を既に支払っていた場合は返金されません。ただし、次の支払期限日から30日間支払猶予期間が与えられます。 |
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賃貸人は善意で以下の対応を取ることができます。
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上記の補助を受けるために、該当する零細中小企業は事業の規模を示す財務諸表などの補足資料を賃貸人に提供する必要があります。賃貸人はそれらの資料をもとに、賃借人の賃料の支払い能力を鑑みて援助提供の交渉を行います。 |
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ECQ期間終了後30日間は、賃料不払いによる立ち退きを要求されることはありません。 |
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(ジェリー・バートン、不動産鑑定士(フィリピン)、日本人担当:堤裕子(tsutsumi@linc.asia))