最先端を行くベンチャー社長から学ぶ連載、今回はAmazon(アマゾン)を活用した販売促進・海外進出をサポートする株式会社コンパスポイントを紹介する。同社は、国際物流の整備、現地での販売許認可取得からマーケティングまで一貫して行い、現在までに500社以上のサポートを行ってきた。岡田昇社長は「日本企業はまだAmazonを十分に活用できていない」という。岡田社長が指摘する日本企業の課題とは―?
(企業取材集団IZUMO・正木 伸城)
JBpressより転載
Amazonは放置すると“カオス”になる
今、商流の地殻変動が起きている。コロナ禍以降、リアル店舗・小売店の売上が激減、インバウンド需要も見込めなくなり、トレンドだった「通販へのシフトチェンジ」が一気に加速しているのだ。
こういった急激な変化が起こった時は、乗り遅れて損をする企業と、早めに対応して業績を伸ばす企業が現れる。コンパスポイントの岡田昇社長が話す。
「中でもAmazonの活用にはテクニックが必要なのですが、残念ながら日本企業はここで後れをとり、むしろ海外の企業に駆逐されている場合が多いと感じます。つくっている商品は質が高いのに、非常にもったいない印象です」
具体的にはどのような場合が“もったいない”のか。
Amazonのセラーになる企業が増加中
「まず、自社の商品を検索してみて下さい。同じ商品を複数の人が売っているケースがあります。1つの商品に売り手のアカウントがいくつも存在する状態です。そうなっていたら要注意ですね」
これ、メーカーがAmazonでの販売を商品を卸した先に任せている状態なのだという。しかし――。
「卸先はその商品の“プロ”でなく商品知識が少ない場合もありますし、Amazon上でのマーケティングまで手が回らない、もしくは知識がなくてできない場合も多いのです。そこで、特に工夫せず“ただAmazonに出すだけ”になります。商品ページも、画像の切り貼りレベル。しかも適切に管理されていないため、売り手に転売屋などの個人も入ってきやすくなります。
すると、例えば商品の説明で誤解を招いて悪い評価をつけられてしまったり、安売りされ値崩れを起こしたり、本来はもう終売になっている商品を勝手に売られたり、といったことが起きるのです」
図にするとこうなる。卸先が直接販売する場合もあれば、Amazonのベンダーチームに卸す場合もあり、さらには個人や個人に近い販売店が参入するなど、まさにカオスだ。