前回に引き続き、「大湾区情報」では、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をいくつかピックアップしお届けします。
中国人民銀行副総裁で外為局局長の潘功勝氏が講演にて、中国本土の住民が中国外に資産を配分できる機会を拡大するために、近い将来、上海-香港ストック・コネクト、深圳-香港ストック・コネクト、ボンド・コネクトなどの金融市場インフラの相互接続を通じて QDII(適格国内機関投資家)の規模を拡大し、QDII の管理メカニズムを改善し、開放モデル地区においてウェルス・マネジメント・コネクトを試験的に開始すると述べられた、と6月 10 日付で国家為替管理局(SAFE)の公式ホームページに公開されました。
潘氏は、近い将来に上海臨港新区、大湾区と海南自由貿易港の一部において、外為管理ハイレベル開放モデル地区を設置し、外国為替分野における制度的開放を促進するために経験を蓄積すること、 また、最近の改革開放において、以下 6つの重点分野を促進することを明らかにしました。
1. 外国為替マーケットの商品や国内外の参加者を充実させるとともに、上海を拠点に世界に向けてサービスを提供している中国外国為替貿易センターや上海清算所のインフラシステムやサービス能力を改善・向上させる。
2. プライベート・エクイティ・ファンドによるクロスボーダー投資の改革を推進する。 プライベート・エクイティ・ファンドが国境を越えた産業投資を行うことを支援する。 QDLP(適格国内有限責任組合)モデル地区と QFLP(適格外国人有限責任組合)モデル地区を拡大し、上海がウェルス・マネジメントとアセット・マネジメントにおける重要なグローバルマーケットになるよう支援する。
3. 中国居住者が海外に資産を配分する機会を拡大する。 金融マーケットインフラの相互接続(上海-香港ストック・コネクト、深圳-香港ストック・コネクト、ボンド・コネクトなど)を通じて、QDII の規模を拡大し、QDII の管理メカニズムを改善し、開放エリアで「ウェルス・マネジメント・コネクト」を試験的に開始する。
4. 企業のクロスボーダー資金調達を促進する。 近年、中国人民銀行と SAFEは、本格的なクロスボーダーファイナンスのための健全なマクロ・プルーデンス政策の枠組みを確立し、企業は純資産規模に応じて一定額の範囲内で独自に外債を借り入れることができるようになったが、一部のイノベーション型企業、特に中小・小規模のイノベーション企業は、成長の初期段階であり純資産規模が小さいため、クロスボーダー資金調達限度額が比較的低くなる傾向にある。この点において、北京の中関村や上海自由貿易区などの地域で外債借入を促進するモデル地区を立ち上げ、対象となるハイテク企業に外債を独自で借りられる枠を与えることにより上海の科学イノベーションセンターの建設を支援する。
5. オフショア貿易、越境 e コマース、調達市場などの新しい貿易形態のクロスボーダー送金と入金をサポートする。
6. 大企業グループによるクロスボーダー資金の管理および利用を促進する。 多国籍企業の現地通貨/外貨一体化による資金プーリングモデルプロジェクトを実施する。
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