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香港、「エアポートシティ」プロジェクトに400億香港ドルを投資
香港政府の空港管理機関、香港機場管理局(The Airport Authority Hong Kong、以下「AAHK」)は12月3日、香港国際空港の各種プロジェクトの進捗状況を公表しました。それによると、香港及び各地域の経済発展を推進するために、空港の輸送能力および機能を高め、また空港を新たなランドマークとすることにより、2030年までの今後10年において、400億香港ドル以上を投資する見込みとなっています。
時を遡って2019年5月には、AAHKはすでに「エアポートシティ」のビジョン及び計画案を公開しています。「エアポートシティ」は、空港の独特な地理的位置を活用し、様々な新しいインフラによってもたらされるチャンスを利用して、空港のコア機能と関連産業をシームレスに統合することで、強力な相乗効果を生み出せるであろうと述べられています。
現段階においては、主に空港施設の整備向上プロジェクトに力を入れており、旅客ターミナルの搭乗ゲートの改良工事、第一旅客ターミナル(T1)とノースサテライトコンコースを結ぶ「スカイブリッジ」の建設、スマート空港施設の整備などが挙げられます。そのうち、「スマート空港施設」は、セルフセキュリティゲートやセルフボーディングゲート、モバイルアプリ「マイフライト」、旅客ターミナルを巡回するロボットの導入などがあります。その他、5Gインフラ設備 への投資及びデジタル駐機場管理システムの導入により、運営の効率化を図ります。
空港に隣接する港珠澳大橋(香港珠海マカオ大橋)香港側ゲートの人工島において、各空港サービスを重点的に向上させることも、「エアポートシティ」発展と連係しています。人工島に自動化された駐車場を整備し、トランジット客やインバウンド客向けに約6,000の駐車スペースを段階的に提供することをAAHK は計画しています。また、港珠澳大橋を経由して香港国際空港へ向かうトランジット客は、出入境審査を受ける必要なく、空港に通じる専用の橋を通じて搭乗ゲートに直接アクセスすることができるようになります。インバウンドのツーリストは無人の自動運転交通システムを利用して、SKYCITY(航天城)※や香港の他のエリアに向かうことができるようになります。
人工島建設のほか、香港国際空港の物流パークを広東省東莞市に設立することも計画の一つです。将来的には、中国大陸からの輸出貨物は東莞の物流園区で通関、セキュリティ検査、パレタイズ、貨物受け入れなどの作業を終えた後、香港国際空港のエアサイドカーゴターミナルに海上輸送され、世界各地へ直接発送することが可能となります。それに対し、中国大陸へ輸入された航空貨物は、香港空港に到着後、香港での通関手続きなしで、香港国際空港の制限区域から東莞物流園区に直接運送することができるようになります。海空複合輸送モードを試すためのパイロットスキームも2021年に開始されることが見込まれています。
また、港珠澳大橋の開通で香港国際空港と珠海空港との距離が縮まったことにより、AAHKは両空港の補完関係を促進するために珠海当局と協力し、珠海空港の長期発展戦略を策定していきます。香港と珠海の協力により国内マーケットとの結びつきがさらに強化され、珠海空港及び港珠澳大橋を経由して香港国際空港から世界各地へ飛ぶツーリストを呼び込むことができると期待されています。また、珠海との協力関係を強化することで、香港の航空貨物サービスが中国国内のより広いマーケットへ展開することができ、新たな旅客・貨物供給源となることで、中国国内の航空・物流産業の発展、促進が期待できます。
※SKYCITY(航天城)とは?
2022年から2025年にかけて段階的に完成予定の、800店以上のショップ、120の飲食店を擁する、香港最大のショッピング、ダイニング、エンターテインメントの総合施設。同時に、アジアワールドエキスポ(AsiaWorld-Expo)は、2万人収容の香港最大の屋内パフォーマンス会場となる「フェーズII」の建設に着手、フェーズIIの完成により、展覧施設の延床面積は10万平方メートルに拡大し、近隣のSKYCITY開発との相乗効果を生み出し、ツーリストや市民を引き付ける新たなランドマークとなる見込み。
【参考資料】
· 香港、「エアポートシティ」プロジェクトの開発に400億香港ドルを投資 http://www.cnbayarea.org.cn/news/focus/content/post_304359.html
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