こんにちは、Tokyo Consulting Firm Philippine Branchの鯖戸 梨央です。
【PFRS for SE の最新情報】
前回は、直近で2019年1月から導入されている、小規模向け財務報告基準(PFRS for SE)の要件 についてご紹介しました。
今回は、PFRS for SEを適用することで、どれほど企業の負担が軽減するのかご紹介いたします。
・ファイナンスリース(リース資産及びリース債務)の概念がないため、すべてのリース受取及び支払発生時に収益及び費用として認識される*
・企業は繰延税金資産(資産)を認識しないという選択肢がある**
・重要な会計上の判断および見積りは開示不要
・従業員の退職給付債務を算定する際に、将来の給与及び勤続年数の変動を考慮せずに、現在の従業員の給与や勤続年数を使用して財務報告日時点の負債額を計算することができる
*ファイナンスリース取引とは、リース契約を解除することのできない、リース取引で、借り手が使用する物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、
且つ使用に伴って生じるコストを実質的に負担するリース取引のことを指します。会計処理は売買処理です。一方で、オペレーティングリース取引とはリース物品を貸し借りする取引であり、
取引において使用料としてリース料が発生します。会計処理は賃貸借処理です。
**繰延税金資産とは将来の税金を減額するものであり、実質的に法人税の前払いを意味しますので、資産として処理します。
従来の退職給付債務の計算では、従業員の将来の給与や勤務年数を想定することから、見積要素が多く含み、複雑化してしまい、年金数理会社に外部委託するケースが多くありました。
しかし、これからは、PFRS for SEの適用により、簡潔に退職給付債務の計算をすることが可能となりますので、小規模企業の作業負担を軽減することができます。
以上、小規模向け財務報告基準(PFRS for SE) に該当する場合に受ける影響についてでした。
今週もどうぞよろしくお願い致します。
転載元記事はこちら
弊社の他の記事はこちらから→【東京コンサルティングファーム】