前回に引き続き、「大湾区情報」では、日系企業の皆様に有用と考えられる最新情報をいくつかピックアップしお届けします。
江門市自然資源局は、江門市はブルーエコノミー(海洋経済)のさらなる発展を重要な課題とし、ブルーエコノミーの発展の可能性をより深く掘り下げ、エコフレンドリーな近代的海洋産業システムを構築し、広東省、香港、マカオで最大の海洋リゾート地、国際的な観光レジャーセンター、大湾区の海洋生物食糧基地、海洋設備の試験基地、大湾区海洋工程の職業教育基地やイノベーションプラットフォームの設立を計画しており、地域の海洋センターシティーになることを目標とするとしています。
江門市新会区では、船舶・海洋工学機器産業チェーンの発展に力を入れ、ハイエンドのヨット、海洋工程作業船、補助船の大手企業および主要部品メーカーの誘致を進め、船舶解体材の再加工及びリサイクル促進を推し進めることを提案しています。
海に生きる:「海のシルクロード」からの出発、江門ゲートウェイ化計画
江門市は、古くは地名を「邑」といい、古代~明清時代には「海のシルクロード」の交易拠点、中継点の一つとして栄え、陶器のかけらなどが上川島の遺跡から発掘されています。
また、同市管轄内の新会、台山、開平、恩平は「四邑」(または鶴山を入れて「五邑」)と呼ばれ、「華僑」のふるさととしても有名です。
江門市は、今日において、臨港設備製造、海洋観光、電力、海洋造船、海洋漁業、海洋交通輸送産業を中心とした近代的な海洋産業システムを形成しています。
その中でも、銀洲湖と広海湾沿岸のポートエリアには、1 万トン級船舶の運用バース(船舶係留施設)6 つを含む、計 226 の運用バースが建造されており、江門のブルーエコノミー発展において最もダイナミックでポテンシャルがある二大地区となっています。
江門市自然資源局によれば、近年、江門市のブルーエコノミーの総額は着実に増加しており、現在は市の GDP の約 15%を占めており、2020 年のブルーエコノミーの産業総額は 1,379.26 億人民元に達すると予想されています。
海の魅力:地域観光の新たな青写真を描く
江門市台山では、国家レベルの観光デモンストレーション地区の創設を推し進めており、また世界遺産にも認定されている開平の楼閣と村落の文化観光ゾーンは、国家 5A レベルの観光スポットとして高い評価を受けています。
台山市広海鎮では、エコツーリズムを重視した森の町の構築を出発点として、海のシルクロード遺跡公園の建設プロジェクトを中心に、海永無波公園文化地区の活性化、菩提古樹公園のリニューアル工事などが行われています。
また、海岸線の生態回復プロジェクトの実施、「海のシルクロード」の世界遺産申請をを始め、海のシルクロード文化基地の建設を進めており、遺跡公園のほか、霊湖寺仏教文化センター、漁港漁業文化レジャーリゾートなどのコア観光・文化プロジェクトの建設に力を入れ、広海鎮の観光地としての知名度を高めています。
豊かな海、海岸線、島などの資源は江門市の海浜ツーリズムの発展にとって良い基盤となっています。 江門自然資源局によると、「 第 14 次五ヵ年計画」期間中において、江門は全域の観光と全産業チェーンの観光コンセプトを出発点とし、陸と海の観光資源の統合を強化し、陸と海がリンクする観光ルートを作りだして、生態系、レジャー、健康といった方面において、大湾区における一大海浜観光地、国際的な島嶼観光エリアとなることを目指していきます。
プロジェクトがリード:陸海連携し「ブルーエコノミー」に注力
2021 年 4 月末、江門、マカオのマッチングイベントにおいて、「銀湖湾マカオ国際健康港プロジェクト」が発表されました。
当プロジェクトは、銀湖湾海浜新区に位置し、総投資額は 21 億人民元を予定しており、AI テクノロジーインキュベーターを中心に、人工知能、ビッグデータ、医療とヘルスケアの統合など、最先端の科学とイノベーション産業を対象としたビジネス・インキュベーション、研究成果のトランスフォーメーション・センター、及びレクリエーション・ヘルスケアへの応用のデモンストレーション・センターの設立が含まれています。
上記のほか、同じく海新区では「新会マカオ重要技術設備革新創業園」、「碧海銀湖文化観光プロジェクト」など数多くの重要プロジェクトが導入されています。
江門市発展改革局は、銀湖湾海浜新區を都市の副都心と位置づけ計画・建設を行う一方、対外開放、対外協力のための新たなメイン地区を構築することを計画し、先進的製造業、エコ新材料、臨港産業、新興海洋産業などの方向性に焦点を当て、ブルーエコノミーの特徴を持つ近代的な産業システムの構築に力を入れていくと述べています。
江門市東部では、西江黄金水道の河口に位置する銀洲湖地区のポートターミナルで、5,000 トン級船舶のバース 16 つ(うち 6 つは 1 万トン以上)の建設が完了しており、更なる銀洲湖港湾産業区の形成を推進しています。
西部では、大広海湾が、珠江河口西岸地区の臨港先進製造業基地となることを目指しており、10 万トン級船舶のバース 1 つ、5 万トン級船舶のバース 2 つの建設が完了、1 万トン級船舶のオペレーションエリア埠頭が建設中となっており、港湾物流、保税倉庫の建設を計画し、原油、精製油、LNG などのエネルギー商品のバルク取引市場と配送拠点の建設に努めており、またクリーンエネルギーシステム構築にも注力しています。
国家の持続可能な開発パイロットゾーン、中国の船舶解体基地、製紙産業基地として、銀洲湖エリアは、新会港国際貨物ターミナル株式会社(Guangdong Xinhui
Port International Freight Terminals Co., Ltd.) 、双水拆船、双水発電所、亜太森博紙業 (ASIA SYMBOL:シンガポール系)、華泰紙業、南洋船舶など大企業の進出先第一候補となっています。
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