オーストラリア経済に展望はあるでしょうか。
オーストラリアというと、観光立国のイメージが強いのではないでしょうか。
国立公園に代表される雄大な自然に独自の生態系の動物たち。天然資源にも恵まれ、国土面積は日本の約20倍。
国際的な立場としては、G20やOECD(経済協力開発機構)に名を連ねる新興国です。
この記事では最新のオーストラリアについて、経済動向の切り口でみていきます。
オーストラリア経済の状況
オーストラリアは、2019年時点で人口2,552万人。国土面積は日本の約20.3倍で、769万2,024平方キロメートル。これは、アラスカを除く北米大陸とほぼ同じサイズ。まぎれもない大国です。
実質GDP成長率
2018/2019年度の実質GDP成長率は下図の通り、2012/2013年度から2%台を維持しています。
2019/2020年度は突如−0.2%と落ち込みを見せているのが気になります。
これは、2020年に大流行した新型コロナウイルスの影響を受けたものです。しかし、すでに政府の金融政策もあり、回復の兆しを見せています。
年度 |
2012/2013年度 | 2013/2014年度 | 2014/2015年度 | 2015/2016年度 | 2016/2017年度 | 2017/2018年度 | 2018/2019年度 | 2019/2020年度 |
実質GDP成長率(%) | 2.6% | 2.6% | 2.4% | 2.8% | 2.0% | 2.9% | 2.0% | -0.2% |
(参考:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/data.html)
一人当たりGDP
また、2019年の一人当たりのGDPは54,763米ドルとなっています。
年度 |
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
一人 当たりのGDP (米 ドル) |
69,451 | 66,361 | 62,062 | 52,131 | 53,997 | 57,629 | 58,597 | 54,763 |
(参考:統計局 https://unstats.un.org/unsd/snaama/CountryProfile)
失業率
2018/2019年度の失業率は5.2%で、これも2012/2013年度から5%前後を維持しています。
年度 |
2012/2013年度 | 2013/2014年度 | 2014/2015年度 | 2015/2016年度 | 2016/2017年度 | 2017/2018年度 | 2018/2019年度 | 2019/2020年度 |
失業率(%) |
5.7% | 6.1% | 6.1% | 5.8% | 5.6% | 5.3% | 5.2% | 7.4% |
(参考:外務省HP https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/data.html)
平均所得と物価
2020-12のオーストラリアの消費者物価指数変化率は0.9 %でした。前期2020-09は 0.7 %であったため、上昇しています。
オーストラリア統計局の発表する、2017-18の週ごとの総世帯収入の中央値、1,701豪ドルから算出した年収が約89万豪ドルです。
(参考:オーストラリア統計局https://www.abs.gov.au/statistics/economy/finance/household-income-and-wealth-australia/2017-18)
国税庁によれば、2018年の日本人の平均年収が441万円ですから、89万豪ドル(2018年4月23日の為替レート、1豪ドル83円で換算した場合は、日本円で約739万円)はかなり高額に見えます。
(参考:国税庁https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm#:~:text=1%E5%B9%B4%E3%82%92%E9%80%9A%E3%81%98%E3%81%A6%E5%8B%A4%E5%8B%99%E3%81%97%E3%81%9F%E7%B5%A6%E4%B8%8E%E6%89%80%E5%BE%97%E8%80%85%E3%81%AE%E5%B9%B4%E9%96%93,%E3%81%AE%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82)
オーストラリアは日本と比べて、かなり物価が高い傾向にあります。そのため給与水準も高くせざるを得ません。
物価が高騰する理由は5つあります。
・国土が広大すぎるのに対して物流網の整備が追いついておらず、脆弱
・第2次産業が弱く工業、製造分野が未熟なため、供給が需要に追いつかない
・都市部に人口が集中し、需要が極端に高くなるのに伴って、物価が高騰する
・都市部に人口が集中する反面、地方都市は人材不足にあえぎ、人件費が高騰する
・人件費が高いので物価が高い
オーストラリア経済はその成長に伴い、今も緩やかにインフレを続けています。
GDP成長
では、オーストラリアの実質 でどの様に推移しているでしょうか。以下の表に示します。
(出典:National Accounts – Analysis of Main Aggregates https://unstats.un.org/unsd/snaama/CountryProfile
オーストラリアは2008年の世界金融危機の際に経済大国として唯一、景気後退を回避した国です。景気後退とは、2四半期連続でマイナス成長に陥ることを意味します。
この15年で実質GDPは安定した右肩上がりを維持してきました。オーストラリア経済は着実に成長を続けており、景気がよいことはGDP推移からも読み解けます。
産業
次に、オーストラリアの産業を見ていきます。
豪州統計局発表の2019-20年度のGDP産業別シェアを示したレポートによれば、オーストラリアののGDP別産業シェアは第1次産業は2.0%、第2次産業は23.8%、第3次産業が74.2%です。第3次産業である金融や公益事業、消費関連といった内需関連部門が、オーストラリア経済の主役であることが分かります。
(参考:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/data.html)
豪州統計局が発表した2019-20年度のレポートによれば、天然資源が豊富なオーストラリア。ところが鉱業は第1次産業のGDPに占める割合はわずか8%ほどと少なく、サービス産業の割合が高い傾向があります。
(参考:外務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/data.html)
貿易
オーストラリア経済の発展を語るにあたって欠かせない要素である、国際貿易の観点でも見ていきます。
貿易収支は貿易輸出額 - 貿易輸入額で算出します。輸出額が輸入額を上回ると貿易黒字、下回ると貿易赤字です。
オーストラリアは貿易黒字による好景気を維持していることから、貿易はオーストラリア経済にとって重要な収益の要であると言えます。
年次(年) | 輸入総額(百万米ドル) | 輸出総額(百万米ドル) | 貿易収支(百万米ドル) |
2017 | 227,518 | 229,291 | 1,773 |
2018 | 240,911 | 254,692 | 13,781 |
2019 | 226,955 | 272,574 | 45,619 |
輸出総額が年を追うごとに増加しているのは中国への輸出量の増加に伴います。
2018年時点では通年で34%だった中国への輸出シェアは、2019年1〜7月で840億豪ドル、シェア率38%と、過去最高値を更新したことが、オーストラリア国立大学の調べてわかっています。
このことから、オーストラリアの貿易は強く中国への依存が問題視されており、中国依存からの脱却がオーストラリアの貿易面における今後の課題と言われています。
【主な貿易相手国と貿易額】(2018年データ)
輸入
順位(位) | 輸入元国名 | 輸入総額 (億豪ドル) |
輸入額割合(%) |
1 | 中国 | 745 | 24.5 |
2 | アメリカ | 312 | 10.3 |
3 | 日本 | 225 | 7.4 |
4 | ドイツ | 150 | 4.9 |
5 | タイ | 149 | 4.9 |
輸出
順位(位) | 輸出先国名 | 輸出総額 (億豪ドル) |
輸出額割合(%) |
1 | 中国 | 1,177 | 34.2 |
2 | 日本 | 553 | 16.1 |
3 | 韓国 | 237 | 6.9 |
4 | インド | 166 | 4.8 |
5 | アメリカ | 129 | 3.8 |
対日本の主要貿易品目(2019年)
順位(位) | 輸入品目 | シェア(%) | 輸出品目 (億豪ドル) |
シェア(%) |
1 | 輸送用機器 | 47.4 | 鉱物性燃料 | 67.0 |
2 | 鉱物性燃料 | 21.0 | 鉱石、鉱滓、灰 | 16.7 |
3 | 一般機械 | 10.0 | 食料品 | 4.4 |
(参照元:
JETRO https://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/japan/country/Australia.html
財務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/data.html)
経済の特徴、近年のトピック
近年のトピックとして避けて通れないのが、毎日のようにニュースを騒がせ、世界経済を混迷させた新型コロナウイルスの歴史的な大流行です。2020年は受難の年で、オーストラリアは極めて深刻な山火事にも見舞われました。
ここまで安定した右肩上がりの経済成長を遂げてきたオーストラリアですが、2020年の経済成長は低迷を余儀なくされました。
これによって1990−91年の景気後退以降はじめて、2020年中は2四半期連続のマイナス成長を記録しています。オーストラリアにとって実に約30年ぶりの景気後退です。
新型コロナウイルスによる経済的影響を受け、厳しい情勢を強いられたのが雇用です。特に外食産業や観光業業、建設業、士業をはじめとする専門サービスでの雇用喪失は著しく、各業界は打撃を受けました。
その一方で、新型コロナウイルスによる危機を切り抜けることに成功した産業があります。それが鉱業です。
他の産業が軒並み大打撃を受けた中、なぜ鉱業分野だけが成長できたのか。それはコロナ禍にあっても、中国が鉄鉱石や石炭の輸入を継続したことに起因します。
オーストラリアの産業はアジア諸国と密接な関係性があります。中でも中国は、オーストラリアにとってかけがえのない貿易相手です。
オーストラリアは世界でも有数の資源大国です。その内訳は、石油ガスや石炭などのエネルギー資源、鉄の原料である鉄鉱石、アルミニウムの原料であるボーキサイトなど。鉱物資源が主要輸出品国です。
輸出先の1/3が中国という状況は、中国経済や景気の影響を強く受けるということを意味します。さらにオーストラリアは中国からの多額の投資も受けています。
万が一中国経済が衰退し見通しが立たない事態に陥ることがあれば、オーストラリアが真っ先に煽りを受ける危険性があります。こういったことから中国経済への依存度の高さを問題視し、懸念する声はしばしば聞かれます。
【オーストラリアの貿易相手国の変遷】
1950-51年 | 1960-61年 | 1970-71年 | ||||
順位(位) | 国名 | % | 国名 | % | 国名 | % |
1 | イギリス | 32.65 | イギリス | 23.90 | 日本 | 27.36 |
2 | アメリカ | 15.16 | 日本 | 16.67 | アメリカ | 11.87 |
3 | フランス | 9.15 | アメリカ | 7.48 | イギリス | 11.29 |
4 | 日本 | 6.27 | ニュージーランド | 6.40 | ニュージーランド | 5.31 |
5 | イタリア | 4.99 | フランス | 5.27 | パプアニューギニア | 3.73 |
1980-81年 | 1990-91年 | 2000-01年 | ||||
順位(位) | 国名 | % | 国名 | % | 国名 | % |
1 | 日本 | 27.57 | 日本 | 27.44 | 日本 | 19.66 |
2 | アメリカ | 11.12 | アメリカ | 11.03 | アメリカ | 9.77 |
3 | ニュージーランド | 4.72 | 韓国 | 6.18 | 韓国 | 7.70 |
4 | イギリス | 3.70 | シンガポール | 5.28 | ニュージーランド | 5.76 |
5 | 中国 | 3.54 | ニュージーランド | 4.86 | 中国 | 5.72 |
しかし今の中国依存の状況を楽観視する見方もあります。
それは、オーストラリアが過去100年にわたる歴史の中で、貿易相手と輸出品を大きく様変わりさせながら経済を発展させて好景気を維持した実績があるからです。
1950年代初頭まで、オーストラリアの主な輸出先はイギリスで、輸出額の1/3を占めていました。
2000年代に入ると、輸出先の上位は日本、アメリカ、韓国、ニュージーランド、中国、シンガポールに変わります。それまでの英国依存から、複数国家と分散して貿易するようになりました。
こうした時代の空気や世界の情勢を読み解き、柔軟に交易先を変えながら成長を遂げたオーストラリアのポテンシャルに注目すると、中国依存の現状も2021年以降には様変わりする可能性も推測できます。
オーストラリアの経済を強靭なものに成長させた要因の一つに、移民政策の成功が挙げられます。
オーストラリアの人口は自然増加に加え、積極的に移民を受け入れることで増加の一途です。下図のように、人口の増加に伴い移民総数も増加しています。
またオーストラリアの移民政策には特徴があります。特定のスキルや資格の保有者や熟練技術者などの技能移民とその家族を積極的に受け入れる政策をとっています。
これによって自国のITをはじめとする技術力を伸ばすと同時に、若年の労働力の確保にも成功しています。
労働者の平均年齢は、高齢化が進む日本では46.3歳であるのに対して、日本と比べると10歳近くも若く、働き手の数が多いのも特徴です。
人口の増加はつまり、労働力や生産力と消費の強化をもたらします。移民政策による人口増加で、オーストラリアは内需の強い国に成長しました。
現在注力している産業
オーストラリア経済を支え、GDPの70%以上を占める第3次産業。中国との貿易に依存する体質から脱却する意味でも、第3次産業の強化は欠かせません。
そんな中でも注力している分野が観光、IT、医療・ヘルスケア産業の3分野です。
観光
レクリエーション、レストラン、ホテルなどのサービス業などを中心とする観光産業は、2000/01年度には、オーストラリアのGDPの4%以上を占め、就業者全体の5%をかかえています。
国連世界観光機関が出しているTourism Highlight(2019)の「国際観光収入ランキング」では、第7位に入るインバウンド先進国です。
注目すべきは、国際観光収入の金額。観光客数は約925万人でありながら、450.3億米ドルを得ています。これは、オーストラリアを訪れる観光客1人あたりから、4900米ドル(約52万円)の観光収入を得ている計算となり、ルクセンブルクと並び、世界でもトップクラスです。
(参考:UNTWO https://unwto-ap.org/wp-content/uploads/2020/02/Tourism-HL2019_JP.pdf)
元来、オーストラリアは欧州大陸から隔絶された離島で、豊かな鉱物資源や雄大な自然はあるものの、目立った産業のない国でした。
そんな中にあって、アジア諸国からのアクセスの良さや固有の生態系に着目。オリジナリティの高い体験型ツアーに代表される質の高い観光体験を提供することで、インバウンド需要を高めていきました。
IT
オーストラリアが注力する産業の2つ目は、IT産業です。
オーストラリアがIT先進国であることはあまり知られていませんが、特にメルボルンはテクノロジーの中心地として栄えており、数多くのIT企業が拠点を構えています。
政府は2008年の「デジタル教育改革」2011年には「国家デジタル経済戦略」を発表し、2013年にはクラウドコンピューティングの導入促進も行っています。
経済のデジタル化に伴い、オーストラリアのIT産業も拡大。ICTがGDPに占める割合は、2018年の5.1%から2020年には7%に増大するとの予測も立てられました。
ところが一時期、優秀な人材は、同じ英語圏であるアメリカのシリコンバレーを目指して海外に流出するケースが増え、国内のIT技術者が不足。そのためにIT面での技術革新が大幅に後れをとることが懸念されました。
現在では、国内で確保できない高いITレベルを保持する技術者の取り込みを目的に、新たな就労ビザシステムの試験展開を検討しています。
ヘルスケア
近年目覚ましく発展を遂げており、2021年以降も見通しが明るく景気に大きく貢献することが予測されるのが、ヘルスケア産業です。
2010/11年度(2010年7月〜2011年6月)は前年度比7.3%増の1,303億豪ドル(約11兆9,980億円)となり、GDP比で2000/01年度の8.2%から1.1ポイント増加して9.3%です。
日本と同様、今後オーストラリアの高齢化も加速すると予想されています。医療技術の革新に伴い医療産業や、ヘルスケア産業もさらなる発展が予想されます。
2021年の経済見通し
2020年に大流行した新型コロナウイルスの感染拡大は、1992年から経済成長を続けたオーストラリア経済にも暗い影を落としました。しかしオーストラリア政府はすでに、国内経済は予想を上回るスピードで回復の兆しを見せています。
景気回復の見通しが立ったことを示すように、2021年のGDP成長率予測を見直し、上方修正しました。当初発表されたGDP成長率予測は4.25%。修正後は4.5%と上昇しています。
これは、政府が失業対策を中心に打ち出した総額約3,000億豪ドル(GDPの14.6%相当)の新型コロナ経済支援策が功を奏したものです。
第三次産業の拡大が著しいオーストラリア。新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の落ち込みは大きく、特に打撃を受けた宿泊・飲食サービス業では、大幅な雇用喪失に見舞われました。
それにより失業率は著しく上昇。一時は失業率が事実上10%を超えるほどの危機的状況でした。
雇用喪失による税収の減少に加え、経済対策による財政支出の上乗せにより、2020 /21年度(7-6月)の財政赤字は、過去最高水準の2,137億豪ドルに達するとの予測でした。しかし最終的には1,977億豪ドルと、予測を下回っています。
大半の地域でほとんどの制限が解除されており、おおよその収束が見込まれるオーストラリア。予断は許さないものの、2021年に入りコロナの影響からも順調に回復の兆しを見せています。
オーストラリア経済は再び成長路線に軌道を戻し、今後の見通しも明るいと言っても過言ではありません。
オーストラリアと日本の比較
オーストラリアと日本は経済、政治の面で密接な関わりがある反面、それぞれの特徴は大きく異なります。
ここではまず、以下の3つの観点で両者を比較します。
・貿易
・観光
・政治
その後に、日本企業のオーストラリア進出の動向を考察します。
貿易
オーストラリアは、世界でも有数の資源大国です。
石油ガスや石炭などのエネルギー資源、鉄の原料である鉄鉱石、アルミニウムの原料であるボーキサイトなどの鉱物資源を主に輸出しています。
その反面、石油や石油製品の80%を輸入に依存しています。
資源を輸出して製品を輸入する貿易スタイルのオーストラリアに対して、日本の貿易は真逆の様相を呈します。
鉱物資源に恵まれない日本では、原油をはじめとする資源を輸入し、自動車や半導体のような、技術力を反映させた工業製品を多く輸出しています。
日本の貿易相手国は依然としてアメリカが輸出入ともに第一位。輸出額は約77兆円、輸入額が約79兆円です。
観光
旅行者の数はどうでしょうか。
世界観光機構が発表する国際観光収入によれば、オーストラリアと日本の観光収入は僅差です。
順位 | 2019年 | 収益額 (億米ドル) |
2018年 | 収益額 (億米ドル) |
2017年 | 収益額 (億米ドル) |
1 | アメリカ 合衆国 |
2141.34 | アメリカ 合衆国 |
2144.68 | アメリカ 合衆国 |
2107.47 |
2 | スペイン | 797.08 | スペイン | 737.65 | スペイン | 679.64 |
3 | フランス | 638.01 | フランス | 630.42 | フランス | 606.81 |
4 | タイ | 605.21 | タイ | 518.82 | タイ | 574.77 |
5 | イギリス | 527.21 | イギリス | 492.62 | イギリス | 512.11 |
6 | イタリア | 495.96 | イタリア | 450.35 | イタリア | 442.33 |
7 | 日本 | 460.54 | オースト ラリア |
429.77 | オースト ラリア |
417.32 |
8 | オースト ラリア |
457.09 | ドイツ | 429.15 | ドイツ | 398.23 |
9 | ドイツ | 416.38 | 日本 | 411.15 | マカオ (中国) |
355.75 |
10 | マカオ (中国) |
395.26 | 中国 | 403.86 | 日本 | 340.54 |
参考:UNTWO https://www.e-unwto.org/doi/epdf/10.18111/9789284422456
2014年オーストラリア総務省が発表したデータによれば、隣国のニュージーランドからの旅行者が最も多く、中国、イギリス、アメリカと続き、総数約9,500万人でした。
日本への旅行者総数は約3,000万人。旅行者の国籍は、第一位が中国、次いで韓国、台湾と続きます。日本への観光客はほとんどが近隣諸国からの旅行者です。
(
政治
政治的にはオーストラリアと日本はどの様な関係にあるでしょうか。
オーストラリアと日本は政治的には協力関係にあります。
1976年には日豪友好協力基本条約を締結しており、アジア太平洋経済協力(APEC)、ASEAN地域フォーラム(ARF)そして東アジアサミット(EAS)を含む、様々な地域のフォーラムを強化するため、共に働きかけていくことにも同意しています。
日系企業のオーストラリア進出
日本企業の海外進出には目覚ましいものがありますが、オーストラリアでの状況はどうなっているでしょうか。
日本人の海外長期在留者数(2018年)
順位 | 滞在国 | 滞在者数(人) | 割合(%) |
1 | アメリカ合衆国 | 23万3440 | 約27 |
2 | 中国 | 12万1095 | 約14 |
3 | タイ | 7万1255 | 約8.2 |
4 | オーストラリア | 4万1217 | 約4.7 |
5 | イギリス | 4万1079 | 約4.7 |
2018年の外務省のデータによれば、在オーストラリアの日系企業は713社です。
2017年 | 2016年 | 2015年 | 2014年 | 2013年 | |
日系企業数 | 713 | 698 | 725 | 707 | 687 |
多少の増減はありながらも、700社程度に落ち着いています。
(参考:財務省 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_006071.html)
オーストラリアと日本の間には、貿易にも代表されるように、ビジネス上の良好な協力関係が築かれています。オーストラリアの天然資源と日本の製造業のメリットを交換し合う形でお互いメリットを得る関係です。
今後この多様化はさらに進むことが予想され、IT業界の日系企業をはじめ多くの企業が進出するとみられています。
商社系では丸紅、三井物産、三菱商事。製造業では富士通、キャノン、日立といった大企業がすでにオーストラリア進出を果たしています。
最近では1998年に共同通信のグループの株式会社NNA、2020年2月にはコンサルティング企業の株式会社経営共同基盤が、2020年7月にはオーストラリア日本通運株式会社がオーストラリアの拠点で営業を開始しています。
今後も人口増加が見込まれるオーストラリア。内需が増え続けることは、想像に難くありません。今現在の供給が追いついていない状況は、裏を返せば無数のビジネスチャンスが内在することを意味します。
苦難の2020年を乗り切ったオーストラリア。2021年の景気はすでに、緩やかな回復傾向の見通しです。天然資源のみならず、ビジネスチャンスの宝庫であると言えるでしょう。