世界有数の観光国としても有名なタイ。バンコクは都市としては2018年世界1位の観光客数を誇る経済の中心です。日系の企業も、製造業、小売り、飲食を中心に積極的に進出しています。タイの経済状況について解説します。
タイ経済の状況
主要指標
タイの人口は2018年現在、6641万人です。国土面積は514,000㎢で、日本の約1.4倍にあたります。
名目GDPは5440億ドル(2019年)、一人当たりGDPは8179ドルとなっています。平均所得は月収で26,371バーツ、日本円にして約97,000円です。
失業率は、2020年10月現在で2.0%となっています。コロナショック前は1%前後(2017年1.2%、2018年1.1%、2019年1.0%)で推移していましたので、それと比べれば悪化していますが、それでも周辺の東南アジア諸国と比較して低い数値です。
実質GDP成長率
タイの、年度ごとの実質GDP成長率の推移は以下のようになっています。
世界銀行データより作成
2019年までは毎年プラスの成長率を続けていましたが、2020年はコロナウイルスの影響でマイナスに転じました。2020年の4半期ごとのGDP成長率は以下のとおりです。
三菱UFJ銀行資料・タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)発表より作成
タイ財務省では、2021年はコロナショックから脱し、前年比2.8%となるという見通しを発表しています。
タイ経済を長期的に見てみると、1980年には名目GDPは約300億ドル、一人当たりGDPは約700ドルという水準でした。そこから、80年代、90年代に経済成長を遂げ、1997年のアジア通貨危機ではいったん下がりますが、その後すぐに回復します。
2000年代後半は政治的混乱があり一時低迷するものの、2010年代は緩やかな成長を続けています。
IMFの統計によると、2019年度の名目GDPランキングでは、タイは世界24位となっており、アジアでは中国、日本、韓国、インドネシア、台湾に次ぐ位置となっています。
産業構造
①GDPの中での産業規模の割合
タイの最大産業はサービス業ですが、1990年代以降、シェアは縮小傾向にあります。割合を高めているのは製造業で、2000年以降、製造業が成長の牽引役でした。
2019年のタイのGDPの産業構成は、以下のようになっています。
農林漁業 | 8.3% |
製造業 | 27.1% |
建設業 | 2.6% |
商業・飲食・宿泊 | 20.9% |
運輸・倉庫・通信 | 7.8% |
その他サービス | 27.1% |
国連 National Accounts DBより作成
②それぞれの産業規模の割合の推移
三菱東京UFJ銀行の統計では、1993年以降、農業・製造業が割合を伸ばし、サービス業の割合が減っています。産業別割合の推移は、以下のようになっています。
【1993-1997年】
農業 | 9.2% |
鉱業 | 1.4% |
製造業 | 29.8% |
建設業 | 2.4% |
サービス業 | 52.6% |
【1998-2001年】
農業 | 9.6% |
鉱業 | 2.1% |
製造業 | 32.6% |
建設業 | 3.0% |
サービス業 | 52.3% |
【2002-2007年】
農業 | 10.3% |
鉱業 | 2.9% |
製造業 | 34.7% |
建設業 | 3.1% |
サービス業 | 49.1% |
【2008-2011年】
農業 | 12.2% |
鉱業 | 3.5% |
製造業 | 34.7% |
建設業 | 2.9% |
サービス業 | 47.0% |
③輸出・輸入額の推移
1980年以降の、タイの輸出、輸入、および貿易収支の推移は、以下のとおりです。
輸出(単位: 10億USドル)
出典:UNCTAD – Statistics
1980 | 1981 | 1982 | 1983 | 1984 | 1985 | 1986 | 1987 | 1988 | 1989 |
6.51 | 7.03 | 6.94 | 6.37 | 7.41 | 7.12 | 8.88 | 11.73 | 15.95 | 20.08 |
1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 |
23.07 | 28.43 | 32.47 | 36.97 | 45.26 | 56.44 | 55.72 | 57.34 | 54.48 | 58.47 |
2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
68.96 | 64.97 | 68.11 | 80.32 | 96.25 | 110.94 | 129.72 | 153.87 | 177.78 | 152.42 |
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
193.31 | 222.58 | 229.11 | 228.50 | 227.46 | 214.31 | 215.39 | 236.63 | 252.96 | 246.27 |
1980 | 1981 | 1982 | 1983 | 1984 | 1985 | 1986 | 1987 | 1988 | 1989 |
9.21 | 9.96 | 8.55 | 10.29 | 10.40 | 9.24 | 9.18 | 13.00 | 20.29 | 25.77 |
1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 |
33.05 | 37.57 | 40.69 | 46.08 | 54.46 | 70.79 | 72.33 | 62.85 | 42.97 | 50.35 |
2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
61.92 | 61.96 | 64.64 | 75.82 | 94.41 | 118.18 | 128.77 | 139.97 | 179.22 | 133.71 |
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
182.92 | 228.79 | 249.12 | 250.41 | 227.75 | 202.65 | 194.20 | 221.52 | 248.20 | 236.26 |
貿易収支(単位: 10億USドル)
出典:UNCTAD – Statistics
1980 | 1981 | 1982 | 1983 | 1984 | 1985 | 1986 | 1987 | 1988 | 1989 |
-2.71 | -2.92 | -1.60 | -3.92 | -2.98 | -2.12 | -0.30 | -1.27 | -4.33 | -5.69 |
1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 |
-9.98 | -9.14 | -8.21 | -9.11 | -9.20 | -14.35 | -16.61 | -5.51 | 11.51 | 8.12 |
2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 |
7.04 | 3.01 | 3.46 | 4.50 | 1.84 | -7.24 | 0.95 | 13.90 | -1.45 | 18.71 |
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
10.38 | -6.21 | -20.01 | -21.90 | -0.29 | 11.66 | 21.19 | 15.12 | 4.76 | 10.01 |
1980年以降、タイの貿易額は、輸出・輸入とも年々増加しています。貿易収支は1998年以降は黒字に転じており、特に2015年以降では100億ドル以上の黒字となる年が多くなっています。
タイはGDPにおける輸出の割合が70%を超え輸出依存度が高くなっています。GDPが世界経済の景気動向に左右されやすい傾向にあります。
そのため、輸出先として米国・中国のような大国に頼るだけでなく、ASEAN新興国であるインドネシアやマレーシアへの輸出を拡大し、リスクを分散しようとしています。
特に近年では中国へ向けての輸出に注力してきましたが、中国の経済成長が必ずしも安定しておらず、また新型コロナウイルス感染が問題となっている現状では、中国頼みの生産活動はリスクが大きくなっています。そのため将来へ向けては脱中国依存がさらに進む見通しです。
貿易相手国ランキング
2019年の外務省のデータによると、タイの主要貿易相手国・地域は以下のとおりです。
【輸入】 1.中国(21.3%)2.日本(14.1%)3.米国(7.3%)
引用:外務省
経済の特徴、近年のトピック
新型コロナウイルスの状況と対応
2020年の、四半期ごとの実質GDP成長率は、以下のとおりです。
2020年 1-3月期 | -1.8% |
2020年 4-6月期 | -12.1% |
2020年 7-9月期 | -6.4% |
2020年 10-12月期 | -4.2% |
三菱UFJ銀行資料・タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)発表より作成
2010年以降、タイでは10期連続で、実質GDP成長率がプラスになっていました。
しかし、2020年は新型コロナウイルスの影響で、大幅なマイナスとなりました。
外需では、コメやゴム、車両・車両部品が減少し、輸出全体で厳しい状況が続いています。
内需では、個人消費支出は小幅な減少にとどまっています。新型コロナウイルス感染拡大防止措置の緩和や、政府の支援措置などが個人消費を下支えしたためです。
タイランド4.0とは?
タイランド4.0とは、経済社会のデジタル化を加速させることで、タイを付加価値創造社会へ移行させるという、国の政策として定めたビジョンの名称です。中所得国から抜け出し、スマートな高所得国へ発展するための、新しい経済モデルとして策定されました。
プラユット政権が作成する国家戦略に基づくもので、第1段階=農村・家内工業、第2段階=軽工業・輸入代替・天然資源、第3段階=重工業・輸出指向・外貨導入につづく第4段階という位置づけです。
「イノベーション」「生産性」「サービス貿易」などが、タイランド4.0のキーワードになります。
タイランド4.0では、次の10種が注力業種として位置づけられています。
・スマートエレクトロニクス
・医療・健康ツーリズム
・農業・バイオテクノロジー
・未来食品
・ロボット産業
・航空・ロジスティック
・バイオ燃料・バイオ科学
・デジタル産業 ・医療ハブ
このような業種に投資を呼び込むために、BOI(タイ投資委員会)を中心にさまざまな取り組みが展開されています。特に、バンコク東方の経済特区である東部経済回廊(EEC)では、外資企業から協力を得て、空港や港の拡張、高速鉄道の整備が進められています。
2020年には、ドライポート(内陸港)事業、ランドブリッジ(高速道路・鉄道)事業、タイブリッジ(大型架橋)事業の3つがプラユット首相によって承認されました。今後、EECでの事業はさらに拡大されていく見通しです。
タイランド・プラスとは?
「タイランド・プラス」は、2019年9月に閣議決定された、外国からの生産拠点のタイ国内への移転を促進するための政策パッケージです。米中の貿易摩擦を背景に立案されました。
内容は、BOI(タイ投資委員会)の投資案件に対する法人税の減税(2020年末までにBOIに申請し10億バーツ以上の投資案件に対し、5年間法人税を50%減税する)、先端技術の人材育成関連の投資もしくは経費を特別控除、などの優遇措置です。
これらの政策で、今後海外からの生産拠点の移転を目指します。
詳細は下記URLの、ジェトロによる記事を参照してください。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/10/865e3d78085ed23e.html
ASEANで最も少子高齢化が進むタイ
タイは、ASEANの中で最も少子高齢化が進んでいる国であるといわれています。
国連による調査では、2015年時点でのタイの人口に占める65歳以上の高齢者の割合は10.6%、2022年には14%になる見通しとなっています。
日本は2019年の高齢者の割合は28.4%ですので、現時点では日本より高齢者の割合は低いですが、高齢化のペースは日本より速いと言われています。高齢化が先行する日本の企業にとっては、投資を検討するメリットがあると言えます。
現在注力している産業
自動車
自動車は以前からタイの主要な輸出産業です。1960年代に、日系のメーカーがタイに進出し、この時点では国外車の受け入れからスタートすることになりました。
その後、国内の自動車産業の整備を進め、1970〜80年代にかけてASEAN最大の自動車生産国に成長し、「アジアのデトロイト」と評されるまでになりました。1990年代のアジア通貨危機を乗り越え、現在では国内の一大産業となっています。
タイの自動車生産台数は、1990年には305,000台、1996年には559,000台と増加しました。その後の経済危機で、一時大きく台数を減らしますが、1999年を境に回復に転じ、2019年の年間生産台数は2,013,710台となっています。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でメーカーが工場を一時操業停止したことなどの影響で、前年比29%減の1,426,970台に落ち込みました。
タイは現在、電気自動車の開発に力を入れています。2015年以降、国家電気自動車政策委員会を発足させ、電気自動車の普及に向けた投資政策を行っています。
タイでは2030年までに、自動車生産台数のうち30%以上を電気自動車にする目標を掲げています。
観光
1960年に、タイ王国初の独立行政機関としてタイ国政府観光庁を発足させて以来、タイでは観光産業に力を入れてきました。外国資本も積極的に導入し、プーケット、サムイといったビーチリゾートを開発し、チェンマイ・アユタヤなど歴史・文化都市をアピールしてきました。
観光客は1980年の200万人から、1996年には750万人まで増加しました。
1998年からは「アメージング・タイランド」の名称で大規模な観光キャンペーンを行い、外国人の訪タイ観光客は2001年に1000万人を突破。その後LCC(格安航空会社)の普及も追い風となって観光客数は伸び続け、2015年度には3030万人に達しています。
訪タイ観光客の国別内訳では、 中国人が25%を占め、次いで隣国のマレーシア、第3位は日本で、年間138万人がタイに訪れています。
タイの観光産業はGDPの11%を占め、200万人の雇用を産む重要な産業となっています。特に首都バンコクではGDPの40%を観光産業が占めており、タイ経済において大きなウェイトを占めています。
タイ政府は交通インフラに力を入れるなどして、観光産業の後押しに力を入れています。ただ、現状ではコロナウイルスにより観光客数が激減しており、本格的な回復は2021年後半になる見通しです。
メディカル・ツーリズム
メディカル・ツーリズムとは、疾患を持つ人が海外旅行をして、滞在先の病院で治療を受けることを指します。2000年代に入って急速に広まった概念です。
自国民に対する医療・福祉・厚生を、外国人を対象とする「国際的医療産業」へ転化させる政策のことを指しています。
タイでは、2000年代初頭から、メディカル・ツーリズムを新規産業ととらえ、国の政策として積極的に推進してきました。2002年の、政府観光庁による「医療ハブ構想」や、VISA発行手続きの簡素化などを行ってきました。
この取り組みは諸外国よりも早く、タイはメディカル・ツーリズム産業においての「先進国」と言われています。
バンコク・ポストによると、2017年のメディカル・ツーリズムの関連収益は5億8900万ドルに上り、今後、観光産業とともにタイの主力産業にしようと、政府が力を入れている分野です。
2021年の経済見通し
2020年度のタイ経済は、新型コロナウイルスの影響で観光と輸出が低迷し、実質成長率がマイナスになりました。
2021年1月28日にタイ財務省が発表した2021年度の経済予測では、2021年度のタイのGDP成長率は前年比2.8%になる見通しです。
タイ財務省によると、新型コロナウイルスの再拡大のために、2021年度にタイを訪れる外国人の数は、2020年度の660万人から25%減少し、500万人と予想されています。
また、貿易相手国のコロナ感染状況やワクチンの状況、それに伴う為替変動などの動向もリスク要因となります。一方で、政府による財政出動や消費刺政策による効果も期待されています。
タイ経済の主力である輸出と観光が大きな影響を受けているため、新型コロナウイルスの感染再拡大が続いている2021年は、タイ経済にとって厳しい状況が続く見通しです。
タイと日本の関係性
双方の貿易額とその推移
ジェトロによる資料では、日本とタイの貿易額は以下のようになっています。
(単位100万ドル)
年 | 日本の輸出(A) | 日本の輸入(B) | 収支(A-B) |
2015 | 27,988.8 | 20,424.5 | 7,564.3 |
2016 | 27,411.3 | 20,155.5 | 7,255.9 |
2017 | 29,440.5 | 22,740.2 | 6,700.4 |
2018 | 32,261.4 | 25,080.6 | 7,180.8 |
2019 | 30,183.8 | 25,365.3 | 4,818.5 |
引用:JETRO
日本からの輸入、輸出ともに増加しています。日タイにおいては日本からの輸出金額のほうが多く、日本から見て貿易黒字になっています。
どのような製品の貿易が多いか
日本からタイへの主要輸出品目は、2019年で一般機械(21.3%)、電気機器(17.0%)、鉄鋼(12.7%)、車両・同部品(11.6%)、精密機器(5.4%)となっています。カッコ内は構成比です。
日本のタイからの主要輸入品は、電気機器(23.1%)一般機械(14.6%)肉・魚介類調製品(9.4%)、プラスチック・同製品(6.2%)、車両・同部品(5.9%)となっています。
旅行者の人数
日本からの訪タイ旅行者は年々増加しています。2013年には約45万人であったのに対し、2019年には約180万人と、約4倍になっています。一貫して増加傾向にあります。
年ごとの日本を訪れるタイ人渡航者数は以下のとおりです。
年 | タイ人渡航者数 | 前年比 |
2013 | 約45万人 | 約74%増 |
2014 | 約65万人 | 約45%増 |
2015 | 約80万人 | 約21%増 |
2016 | 約90万人 | 約12%増 |
2017 | 約100万人 | 約11%増 |
2018 | 約114万人 | 約14%増 |
2019 | 約132万人 | 約16%増 |
年ごとの日本からのタイ渡航者数は以下のとおりです。
年 | 訪タイ日本人渡航者数 | 前年比 |
2013 | 約153万人 | – |
2014 | 約127万人 | 約17%減 |
2015 | 約138万人 | 約8%増 |
2016 | 約143万人 | 約3.6%増 |
2017 | 約154万人 | 約7.6%増 |
2018 | 約164万人 | 約7.1%増 |
2019 | 約180万人 | 約9.7%増 |
引用:JETRO
2020年はコロナ禍の影響で大きく減る見通しですが、今後の回復が期待されます。
政治的な関係性
日本とタイは600年にわたる交流の歴史があります。古くは御朱印船によるタイ交易を通じて、タイの首都アユタヤに日本人街が形成されていました。1887年には日タイ修好宣言を結び、正式に国交が開かれます。
2007年に日タイ経済連携協定(JTEPA)が締結され、さまざまな分野での経済関係が強化されました。経済面では、タイから見て日本は重要なパートナーの地位にあります。
政治面での概況としては、2013年1月に安倍総理がタイを訪問し、日タイ首脳会談を行うとともにプミポン国王に拝謁しました。タイはその後、インラック政権への交代、2014年のクーデター発生、ブユラット政権の発足、国王の崩御とワチラロンコン国王の戴冠と政治的に変化の大きい不安定な状況が続きます。
ですが日本国は、タイ国内の動向を見極めつつ、継続して外務大臣など要人がタイを訪問し、関係を強化してきました。プミポン国王崩御の際には秋篠宮殿下が弔問し、皇室による関係も保たれています。
2019年10月には、即位の礼にプラユット首相が主席、日タイ首脳会談が行われました。11月にも安倍総理がタイを訪問し、再び日タイ首脳会談が実施、2020年1月には茂木外相がタイを訪問するなど、首脳同士の活発な交流が続いています。
日本とタイは、政治的にも安定した関係を築いていると言えます。
在タイの日本企業数、日本人数
2020年4月1日時点で1763社の日本企業がバンコク日本人商工会議所に登録を行っています。2008年1296社、2010年1317社、2013年1458社、2016年1707社と、年々増加傾向にあります。
▶バンコク日本人商工会議所
ジェトロのデータによると、タイに進出している日本企業の数は、2008年3884社、2014年4567社、2017年5444社となっています。
タイに住む日本人数は、2015年67,424人、2016年70,337人、2017年72,754人、2018年75,647人、2019年79,123人となっており、毎年4~5%の増加率で増加しています。
(外務省「海外在留邦人数調査統計 令和2年版」による)
タイは、アメリカ、中国、オーストラリアに次いで、世界で4番目に多くの日本人が住む国となっています。
直近の日本企業の進出事例
タイへの日本企業の進出は増加していますが、ここでは直近の進出事例をご紹介します。
ドン・キホーテで有名なPPIHのグループ企業である「ドンドンドンキ」が、2019年2月22日にバンコクのエカマイに1号店をオープンしました。開店当初から人気を博し、1年後の2020年3月には2号店を出店。さらに2021年秋には3号店の出店が決まっています。ドンドンドンキでは今後3年間で10店舗の展開を目指しており、拡大を続けています。
一人焼肉の業態で注目を集めた「将泰庵」は、2019年3月に、ホテルニッコーバンコク内に店舗をオープンしました。「飲めるハンバーグ」など肉料理と酒類を提供し、人気を得ています。
食肉・食品加工の「ネクサス」も2017年7月にバンコクに進出し、レストラン事業などを展開しています。