様々な観点がありますが、
国や業種に関わらず気をつけなければならない点は下記のようなものがあります。
【1. 常駐ナビ】
・常駐ナビはグローバルサイトには必須です。
・常駐ナビの位置は、サイト内各ページ右上部分の「スイートスポット」です。
・常駐ナビには少なくともグローブ・アイコン(または世界地図アイコン)を表示し、
ビジュアル面からもそこが入口であることを認識させましょう。
・ローカルサイトごとに、国の名前は原語で掲載しましょう。
・選択メッセージのテキスト表現は「国/地域を選択」や「言語を選択」が一般的です。
しかし、選択用に長い文字列が使いやすいかどうかについては検討の余地があり、
これを使用しないという方法もあります 。
・望ましいのは、常駐ナビからファーストナビへのページリンクが張ってあり、
ユーザーはファーストナビにジャンプして言語/地域を選択できるという形です。
【2. ファーストナビ】
・ファーストナビはサイト閲覧者が最初にサイトを訪れた際、必ず表示されます。
・ユーザーが言語や地域を選択するとオーバーレイ・ウィンドウが表示され、選択内容の確認が
行われるような設計をしましょう。テキストは選択内容に応じて翻訳され、誤って別の言語や地域を
選択してしまったユーザーのために英語またはそれに準じる言語も表示されるようにしましょう。
・ユーザーが選択内容を確認する際クッキーを保存し、ユーザーが選択した内容を記録しましょう。
そのサイトの再閲覧時にはいちいちファーストナビに行かなくても済むようにします。
・ブラウザによってポップアップ・ウィンドウの表示がブロックされないよう、
DHTMLを利用しましょう。
・ナビゲーションの内容について、そのすべてをサイトで対応している全言語に翻訳する必要は
ありません。言語名や国/地域名を各言語で表示し、ローカルサイトも含めて全てこのスタイルに
するようにしましょう。
【3. 国旗アイコン】
・言語指定の際にフラグ(国旗アイコン)を使用するのは避けましょう。
言語は一か国内にとどまるものではありません。台湾と中国でのサイト構築時には、
両者を一括りとするフラグ表示を行わないようにして下さい。
・フラグ表示はあくまで、現在のサイトの状況を表すものにしましょう。
例えば企業ロゴの横に表示することで、ユーザーのロケーション確認用に使うことは適当です。
しかしナビゲーション目的でフラグを使い、フラグを羅列表示するようなことは避けましょう。
フラグ(=国旗)によって言語を規定することはできません。
【4. カントリーコード】
・ビジネスを展開している、あるいは今後展開を計画している全てのマーケットについて、
カントリーコードの登録を行って下さい。コストの増加が心配かもしれませんが登録を怠った結果、
取得できなかったドメインを巡って訴訟が起きた場合、更にコストが増加する恐れがあります。
・「.eu」はEU全域のドメインとして登録しましょう。EU加盟全27か国について
個別のウェブサイトによるサポート体制が整うまで、中立なサイトとして機能します。
・国際化ドメイン名(IDN)の登録を行って下さい。
中国、韓国、中東といったマーケットにおいては有効な手段です。
【5. プルダウン・メニュー】
・プルダウン・メニューは選択対象が増えた場合に問題が生じます 。取り扱う言語または国/地域が
20以上になるような場合、オーバーレイやファーストナビ、ジオロケーション/言語ネゴシエー
ションなど、プルダウン・メニュー以外の表示手法を検討した方が良いでしょう。
・プルダウン・メニューを採用する場合、国/地域や言語へのリンクは原語表示で行いましょう。(例:日本語のサイトから言語切替を行う場合、プルダウンの表示は日本語で『ドイツ語』と
するのではなく、ドイツ語表記で『Deutsch』としましょう)。
・クッキーを通じてユーザーのロケール設定内容を把握 したとしましょう。
そのユーザーがロケール設定の変更を行う場合、オーバーレイ・ウィンドウが表示され、
変更内容の確認を行います。この内容確認テキストは3種の言語での表示をお勧めします。
3種とは、変更前と変更後のロケールにおける言語、そして英語です。
【6. ジオロケーション】
・まだ十分ではありません。ファーストナビからジオロケーションに移行する企業は増えていますが、
移行の前に常駐ナビが、見つけやすく使いやすい形で各ページに設けられているかどうか、
という点を確認しておきましょう。
・ジオロケーションについては選択的な使い方も効果的です。
例えば、米国など主要マーケットのユーザーはファーストナビを経ずに目的のページへ行き、
米国外のユーザーは国/地域の選択を行う、といった具合です。
【7. 言語ネゴシエーション】
・言語の選定には様々なパターンがあり、ウェブサーバーにおける対応ルールを定めておく必要が
あります。例えば、あるブラウザーでは「es_es」(=「スペイン語_スペイン」)のように
言語と国をセットで指定しますが、別のブラウザーでは「es」(=スペイン語)のように言語のみ
指定するスタイルを取っています。
・言語ネゴシエーションはジオロケーション利用に先立ち、ユーザー向けテスト(ローカライズされた
ウェブページが自動表示されることに対するユーザーの反応をテスト)として
使うことができます。
・言語ネゴシエーションはジオロケーション同様、最適のソリューションではありません。
パーマネント・グローバル・ゲートウェイもサイト内の各ページにきちんと残しておくべきです。
・言語ネゴシエーションはモバイル対応サイトに適しています。
多言語WEBサイト構築の時に必要とされる具体的なチェック項目について教えてください。
Ishin SG Pte.Ltd. ヤッパン号編集部
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