ECは確かに脅威ではあるので、店舗を持つ我々がそこでどういう違いを出すかという事が今後さらに重要になって来ると考えています。
―シンガポール支社におけるスタッフの特徴や人材育成の取り組みについてお聞かせください
現在シンガポール拠点では、ローカルスタッフが約400名います。それに対し、日本人駐在員は6名です。ローカルスタッフの国籍は、シンガポール人、フィリピン人、マレー人、中国人、ミャンマー人、ベトナム人、韓国人と多様です。
シンガポールへの進出当初は、店長は全店舗において日本人が担当していました。しかし、会社の成長とともにローカルスタッフが育ってきて、現在は11店舗中10店舗においてローカルのスタッフが店長をやってくれています。また店舗だけでなく、本部の部長クラスもローカルのスタッフです。そういった点では会社として現地化が進んでいると思います。
創業時からの30年選手が16名も在籍 また、ジョブホッピングの文化があるシンガポールでは珍しい事だと言われますが、創業当時からの30年選手が16人ほどいます。創業時から「日本らしさ」を教え込まれた彼らが今、幹部として活躍してくれています。彼らは今まで多くの日本人駐在員と仕事をしてきているので、私達とのコミュニケーションは非常にスムーズですね。弊社の社員教育は、入社時のオリエンテーションに始まり、定期的に各店舗からスタッフを集め、集合研修も行っています。内容は日本の教育内容をある程度参考にしながら、こちら(現地)で作っています。以前日本のマニュアルをそのまま英語に訳して使用した事があるのですが、これが全くスタッフに通じなかったんです。やはり現地にいる我々が噛み砕いて作っていかないと伝わらない事が沢山ありますね。またお客さんの振る舞いが日本とは違うケースになることも多くあるので、こちらで教育のためのロールプレイを考案したりと、試行錯誤しながら進めています。
これからは現地においても社員教育の体系化を進めて行きたいと考えています。テストを設けて、それをクリアしていく形や、受講した研修やカリキュラムに応じて昇格・昇給へと繋げていく形を考えています。
日本では同様の教育制度があり上手く運用できていますが、シンガポールにおいては「個人売上を高く評価して欲しい」「実力を認めて欲しい」という考え方が日本より強いので、ローカライズが必要です。個人での販売の数字ももちろん評価対象ではありますが、接客業である以上、ベースの部分の接客での振る舞いも評価しないといけない。そのための社員教育の体系化であり、またそれがベスト電器ならではの信頼に繋がっていくと考えています。 (次ページへ続く) 次ページ > 人材マネジメント ~自分の経験を自分の言葉で語る~(2/2)日本でクラウド勤怠管理システム「キングオブタイム」を開発し、国内シェア トップクラスを獲得したメンバーが、その海外展開として東南アジアへ進出。徐々に人事管理が浸透してきている東南アジアでも勤怠管理システムや人事管理システムを提供し、ローカル企業のクライアントも多数。 |