フィリピンでの人材採用は日本と異なる部分が多いので、採用の際にぜひ考慮いただきたいポイントを下記にまとめてみました。
【1.スピードが決め手】
優秀な求職者は複数の企業の選考を受けている可能性が高いのが現実です。面接の回数が多いなど選考に時間をかけることによって他社に先を越される場合が往々にしてあります。基本的に面接から採用決定まで1週間以内(面接は1回)に終えるのが良いでしょう。
【2.実際の入社までは「2ヶ月」を目安に】
フィリピンでは通常、退職の30日前に通知するというルールがあるので、実際の入社までは下記のように2ヶ月かかることを考慮し、採用活動をする必要があります。
1ヶ月目:募集→履歴書の確認→面接の連絡→面接→検討→採用決定
2ヶ月目:求職者の退職まで30日
【3.雇用条件・業務内容は明確に】
日本人の場合、雇用条件に関して細かい質問はあまりしませんが、フィリピン人は給与以外の手当、昇給率、ボーナス、有給日数などの待遇を前もって確認しておく傾向にあります。また、業務内容についても詳細の提示を求められるので、雇用条件・業務内容は書面で詳細を用意する必要があります。
【4.手取り給与も明確に】
フィリピンは個人所得税が高いので、手取り給与の額がとても重要になります。ローカルの会社は非課税手当てなどで手取り額を高くしている場合があるので、額面給与だけでは求職者の実際の手取り給与の額が分かりません。そのため、前職の手取り給与額を確認した上でそれを下回らない給与の提示が必要といえます。
【5.マルチタスクの人材はごく少数】
日本では大学の専攻科目に関係ない分野での就職もままありますが、フィリピンの場合は大学での専攻科目を仕事とする人が大部分を占めます。職種間の移動も少なく1つの職種しか経験のない人がほとんどなので、複数の職種を行えるマルチタスクの人材を探すのは非常に難しいでしょう。
【6.前職より良いポジション】
フィリピン人は転職の際も職種を変えることがほぼないので、前職との比較において給与とポジションがとても重要になります。給与が上がってもポジションが前職と同じまたは下がる場合は内定を辞退される場合があるので、ポジションも給与同等に考慮する必要があります。
【7.勤務地の考慮】
フィリピンの通勤ラッシュはひどく、通常20分の距離でも通勤時は2時間かかることもあるほどです。なので、新規で進出またはオフィスの引越しを考える場合はラッシュを考慮した上での立地を検討する必要があります。
【8.日本語スピーカーは貴重】
英語が流暢なフィリピン人が多いなか、日本語をビジネスレベルで話せる人はまだそれほど多くなく貴重な存在と言えます。貴重だから故に現地採用の日本人よりも給与が高い場合もあります。