2015年05月31日
タイを自動車生産及び輸出の重要拠点と位置づける三菱自動車は、東部チョンブリー県シラチャー郡ノーンカーム地区に社内で海外初となる走行テストコースを開設した。8日に開所式を行い、チャッカモン工業大臣らタイ政府首脳が参列した。同社はタイにおける生産販売現地法人「ミツビシ・モーターズ・タイランド(MMTh)」を通じてグループの研究・開発(R&D)機能強化を打ち出しており、テストコース新設もその一環。タイ工場で生産する自動車の品質強化・商品力強化を推し進めるとともに、技術者の育成にも貢献させたい考えだ。
テストコースの敷地面積は約15万2000㎡。汎用路のほか、フィーリング試験路、模型路、1500mの周回路、整備ヤードなども備える。タイ工場では生産車の80%近くを海外に輸出していることから、日本や欧米市場などの気象条件を想定したコースの仕様も施した。ここで走行テストを繰り返しながら、出荷先市場向けに最適な自動車用部品などの研究・開発を加速させていく計画だ。
そのための技術者養成にも力を入れる。すでに今年度、100人規模での新規採用も決めた。理工系大学院の新規修了者などを主なターゲットに、人事部門の強化も図る。入社後に行う社内研修制度の見直しや人事査定・評価の整備も合わせて進める。ゆくゆくは、開発・設計から生産・管理、販売・輸出、人材育成までをMMTh内で完結したい考え。
MMThの2015年の生産目標は前年比2万台多い36万台。年間の生産能力は42万台で、フル操業で50万台まで対応が可能。今後の市場の変化やタイ拠点の重要性の向上などにより、新たな工場やライン新設等の余地も残している。