フクダ電子、タイで心電計など医療機器を販売 スイス大手DKSHと業務提携。
大手医療機器メーカーのフクダ電子(東京都)は加速する東南アジア地域の医療機器市場に対応するため、スイスのチューリッヒに本部を置く国際的な商社DKSHとタイにおける販売、流通、物流、アフターサービスなどに関する包括的な業務提携契約を締結、タイ市場への本格的な参入を開始した。経済成長の続くタイでは、医療機器市場が自動車、電気電子などに次ぐ次世代の投資市場と見られており、これに対応した形。他社ライバル企業の動向にも影響を与えるものとされる。
それによると、DKSHヘルスケア事業部門がフクダ電子から、タイ市場におけるマーケティング、市場戦略、販売からアフターサービスに至るまでのほぼ一切の業務を受託。フクダ側は求めに応じ、主力の心電図検査装置や生体情報モニタ、超音波画像診断検査装置などを出荷する。民間の調査機関によると、タイの医療機器市場は東南アジアでは最大規模で、2019年までの年間成長率は平均9%と予想されている。
フクダ電子は1939年に都内で創業。51年には国産初の熱ペン直記式心電計を開発、日本国内における心電計普及の礎を築いた。これまでに、ドイツ・シーメンス社やオランダ・フィリップス社と販売提携契約などを締結したほか、中国や欧米市場にも参入したが、タイをはじめ東南アジア市場で機会に恵まれることは少なかった。
DKSHのヘルスケア事業部門は、企業登記や薬事、市場調査、輸入・通関、販売、物流、集金に至るまで医療ビジネスをトータルでサポートできる強みを持つ。世界14ヵ国150の事業拠点に9200人の専任スタッフを置き、顧客規模は群を抜く15万人超。フクダ電子はDKSHと組むことで遅れがちとなってきた東南アジア市場進出の足がかりになると判断した。